琉球大学との連携授業始まる!

2009年4月28日に締結した琉球大学(以下、琉大)との連携協定<国天ニュース191号(2009.6.1)>に基づき、さっそく共通教育科目として「天体観測を通じて学ぶ宇宙」がスタートしました。

2009年8月11~14日に琉球大学西原キャンパスで授業(座学)が、8月11~19日には、石垣島で石垣少年自然の家で寝泊まりしながら、VERA石垣島局と石垣島天文台で、観測実習が行われました。

授業は、国立天文台から講師が出向く形で、4日間午前午後の2回の講義が行われました。初日は、水沢VLBI観測所の小林秀行所長が、「天文学入門、電波天文学」を、2日目は、観山正見国立天文台長が「宇宙の起源、構造、地球から宇宙の果てまで」を、3日目は、本間希樹准教授が「銀河系と銀河、電波望遠鏡を使って見る宇宙」を、最終日は、小久保英一郎准教授が「星や太陽系の成り立ち、太陽系外惑星?」を講義しました。観測実習は、16~19日に石垣島の県立少年自然の家で宿泊しながら実施されました。望鏡の仕組みや観測方法を学んだ後、実際にVERA観測局の20m電波望遠鏡を使ってメーザー天体の観測と解析、石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡を使って木星の観測と画像処理の実習を行いました。講義の合間や後に熱心に質問してくる学生も多く、担当したみなさんは、関心の高さに喜びながら、優しく答えていました。

琉大では、協定締結のニュースが流れた後、学生からの問い合わせが相次ぎ、受講の受付には、文系理系を問わず定員の30名の2倍以上、67名の申し込みがあり、天文学への関心の高さに驚いたということでした。連携授業のレポートを査読した水沢VLBI観測所の小林所長も「石垣島の施設を大学教育に活用して、学生たちにVERAや天文学の面白さを実感してもらえた」と、琉大との連携授業の成果を喜んでいました。

琉大で連携授業を担当された松本剛教授は「授業の後、卒論のテーマを天文学にしたいという相談が何人かからあった。天文学に対する学生のニーズは高く、琉大を天文学が学べる大学へと発展させてゆきたい」と語っていました。今回の連携授業のようすは、琉球大学のニュースレターの表紙を飾り、見開きのトップ記事で「琉大で天文学が学べる!」と紹介されました。国立天文台と琉球大学では、来年度はさらに発展させた形で連携授業を継続するとともに、新たな企画も検討しています。

「国立天文台ニュ-ス No.199より転載」<水沢VLBI観測所 宮地 竹史>

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