国立天文台水沢キャンパスにある旧緯度観測所本館など同観測所関連4件の建造物を含む244件が、国の文化審議会によって2017年7月21日、有形文化財(建造物)として登録するよう文部科学大臣に答申されました。近く申告した内容を告示する予定です。
国立天文台としましては本部の三鷹キャンパス(三鷹キャンパスでの登録有形文化財の件数は10件)に続き登録される建造物となります。
「三鷹キャンパスの建造物7件が登録有形文化財に」2013年11月15日
https://www.nao.ac.jp/news/topics/2013/20131115-cultural-property.html
国立天文台水沢地区の4つの建造物が登録有形文化財となることを観測所長として大変喜ばしく思っております。
水沢の天文台は1899年に臨時緯度観測所として設置されて以来、120年近くこの地で宇宙の観測をしてきました。その中で、木村榮のZ項発見にも関連する明治・大正期の建造物の文化財的価値が認められたことは、近代科学黎明期の日本の科学遺産を未来へ継承する上で大変意義深いことと思っております。また、今回登録される4件の内、旧緯度観測所本館(奥州宇宙遊学館)については、過去に一度国立天文台が解体方針を決めたものの、地元の方々の熱意によって保存と再活用が決定した経緯もあります。
このように、今回4件が文化財として登録されるのに至ったのは、緯度観測所や国立天文台の関係者のみならず、これまで水沢の天文台を様々な形で支えてくださった地元の皆様のお陰ですので、すべての方々に改めてお礼申し上げたいと思います。
旧臨時緯度観測所本館
旧臨時緯度観測所眼視天頂儀室
旧臨時緯度観測所眼視天頂儀目標台および覆屋
旧緯度観測所本館
詳しい内容につきましては文化庁のウェブサイトよりご確認下さい。
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/2017072107.html
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