「いわて銀河フェスタ2008」報告

緯度観測所旧本館を奥州市に譲渡・改修し完成した「奥州宇宙遊学館」が今年度オープンしたことをきっかけとして、奥州市内での宇宙関連イベントを盛り上げようと、国立天文台-奥州市-NPO法人イーハトーブ宇宙実践センターの三者共催による「いわて銀河フェスタ2008」が企画され、2008年8月3日に開催されました。国立天文台水沢地区ではこのイベントの一部として施設公開を実施しましたので報告します。

今年度、水沢地区では本館を中心として耐震補強改修工事が実施されますが、工事に伴う施設機能の移転時期と今回のイベントが重なったため、公開箇所と運営スタッフのマンパワーの大幅な縮小を余儀なくされました。

その様な状況下、水沢地区の公開の出し物として、月探査衛星かぐやの関連講演及び成果発表を奥州宇宙遊学館で実施、また一足早く耐震改修工事が完了した木村記念館のオープン等を実施しました。昨年度までに比較すると出し物はかなり少なかったものの、来場者の関心を引く目玉には成り得たかと思います。ただ、子どもたちにはわかりやすい出し物がほとんど無かったため不満の声が聞こえたのも事実です。

共催のNPO法人イーハトーブ宇宙実践センターでは奥州宇宙遊学館を中心としたイベントを担当していただきました。同館では常設の科学体験コーナーでのミニ実験や、市内保育園児による迫力ある太鼓演奏、星空にちなんだ曲をそろえたフルート演奏コンサートなども催され好評でした。夜に予定していた観望会は曇りのため実施できず残念でしたが、最終的な入場者数は約1000人と例年を大幅に上回ることができました。

今回、三者での初共催ということもあり計画・運営面での課題は多く残りましたが、今後、奥州市の名物イベントとして定着させられるように、共催団体との関係を強化し来年度は更なる盛り上がりを期待したいと思います。

「国立天文台ニュ-ス No.182より転載」<水沢VERA観測所 上野 祐治>

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