「第7回VERAユーザーズミーティング」報告

2009年9月2日、3日の2日間、国立天文台三鷹キャンパスすばる解析棟大セミナー室にて「第7回VERAユーザーズミーティング」が開催されました。本年度は共同利用プロポーザルの締め切りが早まったことを受け(2009年10月15日8:00UT締め切り)、例年よりひと月程度早い開催となりましたが国内の大学の教官や大学院生を中心に海外からも参加があり、28件の口頭発表と18件のポスター発表に対して議論が交わされました。

初日は、VERAの観測システムや運用などの現状、新データ解析ソフト"VEDA"を用いた解析の進捗状況についてVERAの各担当者から、共同利用観測成果については各研究者から報告がありました。また本年6月にミッションを終えた「かぐや(SELENE)」衛星とVERAとの観測成果も報告され、その最新の成果が参加者の興味を惹きました。共同利用観測のセッションでは、2006年より電波フレアの兆候が見られ2008年に打ち上がったFermiγ線衛星によってγ線も検出されたNGC1275(3C84)の電波増光原因特定のための予備的結果や、昨年度より共同利用にオープンされた43GHz帯での観測結果などが報告されました。

2日目の午前はプロジェクト観測についての報告がなされ、2008年よりプロジェクト天体候補リストからの観測を主体とすることで観測体制を強化したことや、今後年60天体程度ずつ観測していくなど、プロジェクト観測の方針が報告されました。また、晩期型星周期光度関係プロジェクトからはその進捗状況が、数人の大学院生からはそれぞれの研究成果が報告されました。

2日目午後はVERAと他のプロジェクトとの連携についての議論が行われ、東アジアVLBIネットワーク、大学連携VLBI観測、光結合VLBI観測網、VSOP-2、SKAなどの紹介、各プロジェクトからのVERAに対する要望などが提案されました。

初日の夜に行われた生協食堂での懇親会は、韓国の研究者や国内の様々な研究機関のスタッフや大学院生など、多くの方々を交えて非常に盛況となりました。今後ますます、VERAのユーザー層が国内外に広がっていくことを願っております。

プログラムと発表内容に関しては、VERAホームページ
http://veraserver.mtk.nao.ac.jp/restricted/UM2009/index.htmlで公開されています。ご興味をお持ちの方は、是非そちらをご覧ください。

「国立天文台ニュ-ス No.198より転載」<水沢VLBI観測所 新沼 浩太郎>

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