子供が3つに! ファン・ネス彗星( 213P/ Van Ness) 最新情報

☆ ファン・ネス彗星の最新情報 2011.09.07 ☆

ファン・ネス彗星(213P)に、子供が3つに!

 7月29日に石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡を使った観測で、ファン・ネス彗星(彗星記号:213P、周期6.3年)に、子供の彗星がいることが見つかりましたが、その後の観測で、さらに二つの子供がいることがわかりました。

 石垣島天文台では、9月7日に、ホームページの「天体画像」のコーナーで、3つの子供をもつファン・ネス彗星の新しい画像を発表しました。

 新たに見つかった彗星の子供のような核は、先に見つかった子供の彗星(B核)の前後にあり、やはり同じ軌道上を移動しています。石垣島天文台では、B核の発見後も観測を続けていましたが、その後C核、D核も見つかり、これらについても国際天文学連合へ報告しました。明るさは、それぞれ22等、21等と暗く、肉眼では見ることはできません。

 B核については、8月末に国際天文学連合の天文電報中央局回報(IAU CBAT)や小惑星回報(MPEC)を通じて、石垣島天文台の花山秀和研究員、福島英雄研究技師らの観測研究グループの発見であることが発表され、今月発行の天文雑誌などでも紹介されています。

 この一連の発見は、八重山諸島が好天に恵まれ、石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡の105cmの口径と星空の良さが結びついて、彗星の尾の中の微細な構造まで観測できたことによるものです。

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< 2011年8月2日 発表>
 
子供の彗星が誕生!? - 石垣島天文台で、先月末発見 ー

 7月29日の夜、石垣島天文台のむりかぶし望遠鏡が、子供の彗星を持っている珍しい彗星の撮影に成功しました。

 子供を持っていることが分かった彗星は、周期彗星のファン・ネス彗星(彗星記号:213P、周期6.3年)で、2005年に13等の明るさになるバーストを起こし、発見された彗星です。

 石垣島天文台では、この彗星が9月上旬に、太陽と反対方向の位置にくる「衝(しょう)」を迎え観測しやすくなることから、7月中旬から観測を開始していましたが、7月29日に花山秀和研究員と福島英雄研究技師が、ダストトレイルと呼ばれる彗星軌道に残された帯状の塵の輝きの中に、子供のように見える新たな彗星を発見しました。

 現在の明るさは、親彗星が13等、子供の彗星が約20等で、肉眼では見ることができません。火星の外側を楕円軌道で回っており、今はうお座の方向にあります。現在の地球からの距離は、約1億9500万kmです。

 子供の彗星のように見えるこの彗星は、親の彗星の核から剥がれた小さな氷の破片のようなものではないかと考えられています。

 石垣島天文台では、この発見を7月31日国際天文学連合に報告しました。

 石垣島天文台では、引き続き観測を続けるとともに、これまでの観測データも合わせ、この子供の彗星が、いつごろ生まれ、親彗星からどれくらいのスピードで離れていったのかなどを解明したいと考えています。

 むりかぶし望遠鏡は、九州沖縄で最大の口径(105cm)をもつ反射式天体望遠鏡で、土日祝日は、一般の天体観望などにも利用されています。石垣島天文台は、2006年に国立天文台と石垣市が共同して建設されました。
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 画像: ファン・ネス彗星(203P)と子供の彗星

 矢印の先に、親の核から剥がれた破片によ
 りできた子供の彗星が写っている。

 クレジット:石垣島天文台提供

 撮影時刻: 7月30日 2時29分(日本時間)

<撮影データ>
 口径105cm経緯台式反射望遠鏡(カセグレン焦点,F/6.5,f=6825mm)
 3色カメラ(冷却CCD3台, 波長: I-band,R-band, g’-band,同時撮像)
 露出時間: I 300秒×36フレーム, R 300秒×27フレーム, g’300秒×46フレーム
 3色分解撮像カラー合成画像, 画像範囲: 10.01×8.26分角
 撮影: 花山秀和  画像処理: 福島英雄