You are here東アジア 惑星科学・探査 夏の学校 2016@武漢 参加報告 ― その2 学生インタビュー 前編 ―

東アジア 惑星科学・探査 夏の学校 2016@武漢 参加報告 ― その2 学生インタビュー 前編 ―


参加学生:加藤伸祐,徐璐媛,安武正展 (写真1)

聞き手:並木則行

 

- まず最初に,この夏の学校は楽しかったですか?もしかしたら,きつかったですか?勉強になりましたか?

 

安武: 全部ですけど...

加藤,徐,安武: 楽しかったです(笑)

徐: 学生プレゼンテーションまでの日程が厳しかったです.

安武: プレゼンテーションの準備は大変でした.

 

- では,先に学生プレゼンテーションの感想から聞かせて下さい.

 

安武: 楽しかったです.

徐: 中国,韓国の学生との交流ができました.

加藤: それぞれの国で考え方の違いが分かりました.英語の壁があることを改めて認識して,もっと英会話の勉強が必要だと感じました.

徐: 私が入っていたグループ4はみんな英語が上手でしたよ.

安武: 私は国毎に英語に訛りがあるなと感じました.

 

- 日本,韓国,中国で学生の気質の違いがあると思いましたか?

 

安武: 特にないと思います.学生ごとに性格はばらばらですね.

徐: 日本人はちょっと消極的かも知れません.日本からの参加者の中で私はただ一人グループリーダーを務めましたが,リーダーの役割はすごく面白かったです.色々な意見を聞いて,議論して,まとめて,反対意見を説得しました.

加藤: 中国の学生は押せ押せで,意見を積極的に出していたので,日韓の学生二人が話をまとめる役割になりました.特に自分は細かいところまで気になる質なので,「本当にこう言い切って良いのか?」と調べて確認する役割になっていました.グループ内で自然に役割分担ができたと思います.

 

- グループのメンバー全員がリーダーである必要はないので,加藤さんのグループのようにスムーズに役割分担が出来るのは好ましいことだと思います.その他のグループではどのように役割分担ができていったのですか?

 

安武: 私のグループでは全員が意見を出し合いました.特に自分の専門分野ではその場のリーダーとして発言し,そうでない場合は質問役に回るという分担ができあがりました.お国柄,というほどの違いはなかったようです.着陸の目的を説明するために一人一人がやってみたい観測プランを出し合って,その全てが満たされる着陸地点を探しました.

徐: 私のグループはまず着陸地点を決めました.その妥当性を説明するためにどのような資料が必要かを相談し,それぞれが得意の分野について仕事を割り振りました.出てきた資料を私がリーダーとしてまとめましたが,案外楽でしたよ.

 

- グループの中で異なる意見がもめることはなかったのですか?

 

安武: 意見の食い違いはありました.メンバーそれぞれがやりたい事を2-3ずつ出しあって,オービターやランダー,ローバーでの観測を考えてみたのですが,着陸地点をしぼり込む時にもめました.

徐: 私たちのグループも最初は南極エイトキン盆地(図1)を着陸地点に選んだのですが,ヘッド先生の講演を聞いてオリエンターレ盆地に変えました.結局は6グループ中の3グループが南極エイトキン盆地内に着陸地点を選んだので...

加藤,安武: オリエンターレ盆地(図1)にして良かったよね(笑).

加藤: 意見の食い違いでは無いですが,英語での意思疎通が上手くできなくて,いらいらしかけた事はあります.そんな風にコミュニケーションが難しい時には,相手を納得させた方が勝ち,って感じでしたね.

 

- プレゼンテーション準備の苦労についてもう少し聞かせて下さい.日本からの参加者は各グループに一人ずつに分けられたのですが,切り離されて苦労したことはありましたか?

 

加藤: とっさに英語の訳語が思いつかないことがあって,上手く自分の考えを伝えられないことがありました.中国の学生は他の二人に聞いていました.

安武: 私も似たような感じです.私と韓国学生と,博士課程2年次の中国学生は英語で話し合うことができましたが,中国の修士学生2人は上手く話せなくて苦労していました.結局は間を取り持っていた中国の博士課程2年次学生がリーダーをやることになりました.

徐: 私は英語と中国語に加えて韓国語も少し話せるので,学生同士の議論の間にたつことができました.

 

- 徐さんもそれでリーダーになったのですか?

 

徐: いえ,私がリーダーに選ばれたのは,着陸地点についての議論が盛り上がる前でした.

 

- ではリーダーはどのように選ばれたのですが?

 

徐: 私のグループのメンバーは誰も英語のプレゼンテーションを嫌がってやりたがらなかったので私が選ばれました.

安武: 私のグループでは最初はリーダーを決めずに着陸地点を決める話し合いから始めました.そのうちに先ほどお話したように,修士学生2名の面倒をみていた中国の博士課程2年次学生がリーダーになりました.

加藤: 私のグループ1では私と韓国からの博士課程2年次学生の二人から他のメンバーにディスカッションを始めるように持ちかけました.その結果,韓国の学生が英語もうまく,他のメンバーから信頼されてリーダーに選ばれました.

 

- 講義についても感想を聞かせてください.

 

安武: 面白かったです.

徐: ヘッド先生のお話がちょっと早口で,ついて行けなくなることがありました.

加藤: 私もついて行けないことがままありました.

 

- 講義の中で,特に面白かった話題は何ですか?

 

安武: ニール先生の月の地震の話です.

加藤: 私はヘッド先生の月の地形の話です.

徐: 私は月を研究テーマに選んでいないので,逆にどの話も面白く感じました.その中でも衝突盆地は自分の研究テーマと関連しているので興味がわきました.一方で,プラネタリーデータシステムの講義は最初計画されていたように,ワークショップ形式で自分の手を動かしながら説明を受けられたら良かったと思います.話を聞くだけでは,実際に自分がどこでつまずくか分からないですから.

 

- 皆さんは今日説明を受けたISISソフト(※)を使ったことはありますか?

 

安武: ありません.

徐: 私は普段から使っているので馴染みがあります.

加藤: 私はISISソフトよりも,もう一つのENVIソフト(※)を使っています.たまにルナ リコネッサンス オービター画像などをISISソフトで見ようとして苦労することがあり,今日はISISソフトについて知らなかったことが聞けて良かったです.これからはISISソフトを使ってみたいと思いました.

(※) 画像解析アプリケーション.ISISはアメリカ地質調査所が開発し無料で配布している.ENVIはExelis Visual Information Solutionsから販売されている.

 

- 講義の量や配分については意見がありますか?

 

加藤: ちょうど良い量だったと思います.

徐,安武: 同感です.

 

- 夏の学校に応募した動機について教えて下さい.

 

徐: 色々な機会があるごとに全部応募したいと思っています.何でも経験してみたいです.

安武: 私はもっと受け身で,最初は極地研の所長からのメールで夏の学校のことを知りました.海外は未経験だったので参加したいと思いました.欧米よりも中国は近いので出入国も楽かなと,行く気になりました(笑).

 

- 加藤さんは指導教員の先生から強制された訳ではないのですか?

 

加藤: いやー,猛プッシュがあって(笑).でも初めての国に行ってみたい気持ちはありました.また,これまで海外の学会に参加して,もっと英会話の経験を積みたいという気持ちもありました.

 

- 最後に中国の感想を聞かせて下さい.

 

加藤: 食文化の違いを楽しんでいます. 

徐: 加藤さんは中国の食べ物が好きですか?

加藤: 好きです!肉系が好きなので(笑)

 

- インタビューに時間をとって頂いて有難うございました.残り二日間のシンポジウムもたくさん楽しんでください.(その3へ続く...)