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第2回月着陸探査研究会開催報告


平成31年2月22日から23日にかけて、奥州宇宙遊学館二階セミナー室で表記の研究会を開催しました。
当初この研究会は平成29年10月19日から20日に開かれた第1回月着陸探査研究会の継続として計画していましたが、前回より広いテーマを扱うものとなりました。以下、内容の詳細には立ち入らず概要のみ紹介します。

2019年1月に中国が世界初となる月裏側軟着陸を成功させ、独自の月探査はますます勢いがついてきたように見えます。その一方、国際協働によって月や火星の資源探査、基地建設、有人探査を目標とする「国際宇宙探査」がここ2~3年で精力的に推進されています。日本もこの流れに乗ってJAXAを中心にワークショップやシンポジウムが盛んに開催されています。
研究会の目標はこうした国際宇宙探査を惑星及び太陽系の起源、進化、環境などの理解に役立つ(科学的価値を高める)ものにするため、日本の惑星科学研究者の意見を集約する場を提供し、最終的にはミッション要求としてまとめることです。
今回は前回の月着陸探査の枠を越えて、月科学全般の現状と課題を整理した完成間近の「月サイエンスブック」の内容紹介、惑星の形成・進化に果たした水の役割の理解を目指す水惑星学との連携、さらにそれらの知見をもとに月・火星の国際宇宙探査ロードマップへの提言まで議論されました。

初日の2月22日は、まさに「はやぶさ2」のリュウグウ着陸成功の日に当たっており、どのくらい人が集まるのかと若干心配でしたが、ふたを開ければ大学や宇宙科学研究所(ISAS/JAXA)の月惑星科学者、惑星探査関係者が約40名も集まり、2日間にわたり懇親会も含めて非常に活発な議論が繰り広げられました。東北大で行われた惑星圏研究会と日程をつなげて参加しやすくしたおかげかもしれません。

個人的には月科学全般の現状を復習する良い機会となりました。参加者の反応も良好で次回開催を希望する声もあり議論の場を提供することはできていたと思います。
一方ミッション要求を実現する道は、国内予算や人員の不足、宇宙機関の組織改編、国際協力の進展などで過去20~30年で様変わりしており、常に関係者の統一された意志による戦略的対応が求められる厳しい時代に入っています。特に今回の臼井教授(ISAS/JAXA)の提案による「国際宇宙探査の枠組みでの月・火星シリーズ探査」のセッションではパネルディスカッションも企画され、参加した大学院生の皆さんにも惑星探査をめぐる昨今の状況、雰囲気が良く伝わったのではないかと思いました。

(文責 荒木)