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LPSC2017参加報告


  2017/3/20-3/24にアメリカ、テキサス州で開かれた第48回月惑星科学会議(Lunar and Planetary Science Conference; LPSC)に参加してきました。LPSCでは研究成果発表はもちろん、NASAの惑星探査部門からの方針講演も開かれ、世界の月惑星科学の潮流が感じられる良い機会になります。最新の研究結果としては最近注目されている月の水に関する講演が興味深かったです。従来月は水が全くと言っていいほど存在しない、乾いた世界だと考えられていたのですが近年月の石の詳細な分析により少量の水が含まれていることが発見されました。今回のLPSCでも月から持ち帰ったサンプルの新たな分析結果が発表され月の石に含まれる水の量などが報告されました。また、月形成の初期に水がどのくらい月に含まれるかをコンピュータシミュレーションした研究も報告され、この分野の盛り上がりを肌で感じることができました。

 

 

  しかし今回特に人が集まったのはアポロ17号の宇宙飛行士、Harrison Schmitt氏が今年1月16日に亡くなったEugene Cernan氏との思い出を語った特別講演でした。Eugene Cernan氏はアポロ17号の船長として月に行き、「月面着陸した最後の人類」として知られています。「月を歩いた唯一の地質学者」としてアポロ17号に参加したHarrison Schmitt氏は彼と共に行った地上での訓練や月面での船外活動の様子を語りました。一番の思い出は予定した着陸点に着陸できずサバイバル生活を強いられた場合のための訓練だと仰っていました。ジャングルで数日模擬サバイバル生活をしたそうですがその時に限られた食材と現地調達の材料で作った食事が意外とおいしかったそうです。(希望者がいればレシピを公開する、といって笑いをとっていました。)

 アポロ計画の終了から約40年が経ち、当時の様子を知る人は少なくなってきてしまいました。私自身アポロのデータを使って研究しているので実際に観測に携わっていた人の知識に助けられたことは多数あります。そのような方々の知識や熱意を受け継ぎ、語り継いでいくことも重要な使命だと改めて感じるLPSCとなりました。最新の研究だけでなく、様々な情報に触れることができるLPSC。また次回も参加できるように今後も研究に励みたいと思います。

 

参考リンク: https://www.hou.usra.edu/meetings/lpsc2017/media/images/Monday/

LPSC初日の様子。18行目以降の写真がHarrison Schmitt氏の講演の様子です。

(文責 川村)