用語解説

 60マイクロ秒角ってどんな大きさ?

6000 万分の1度になります。この角度は、例えば私たちのいる地上から月を見上げたときに月に置いた11 cm の物(CDやDVD の直径が12cm) の見た目の大きさに相当します。人間の目の望遠鏡としての能力と比較すると、視力1の人の目の解像度が60 分の1度ですので、この解像度は人間の視力に換算すると100 万というとてつもないものになります。

天の川銀河

 私たちが住む地球は太陽系の惑星の1つです。太陽は核融合によって自ら明るく輝く「恒星」とよばれる天体です。恒星は太陽の他にもたくさんあり、それらが集まって銀河を作っています。私たちの銀河は「天の川銀河」と呼ばれています。天の川銀河の他にも、宇宙には無数の銀河があり、今回の観測天体である「3C 279」や「NRAO 530」という天体も銀河の1つです。私たちの天の川銀河は渦巻き円盤のような形をしていて、太陽はその円盤の中にあります。夜空に見える「天の川」は、 円盤の中に住んでいる私たちから見た銀河の姿です。 

ブラックホール

 ブラックホールとは、非常に強い重力のために光さえも逃げることができない天体です。光が出てこないということは私たちには見えないことを意味します。ブラックホールは以前は理論上の産物でしたが、1970年代以降間接的にその質量が測定され、現在では多くの研究者がブラックホールは実際に存在すると考えています。太陽の10倍程度の質量のブラックホールは私たちの銀河系の中でも数十個程度見つかっています。また、銀河の中心には太陽の数百万倍から数十億倍の質量をもつ超巨大ブラックホールが存在すると考えられています。

 私たちのすむ天の川銀河とおとめ座銀河団にある楕円銀河 おとめ座 A(M 87)の中心にある超巨大ブラックホールが地球から最も大きく見えるブラックホールと考えられています。Event Horizon Telescopeプロジェクトはこれらのブラックホールの直接撮像を目指して研究しています。

活動銀河

 地球からとても離れた距離にある銀河にも関わらず、とても明るいために恒星のように見える天体が1960年代に発見され、クエーサー(恒星のようにみえる天体、の意味)と名付けられました。クエーサーは天の川銀河と同じ「銀河」ですが、非常に明るい天体です。クエーサーは一般的に銀河系の明るさの1000倍、太陽の10兆倍という凄まじい明るさを持ちます。しかもその明るい部分は銀河の中心のごくごく狭い部分に集中しています。今回の観測天体である「3C 279」や「NRAO 530」という天体もクエーサーの1つです。

 その後、クェーサーと同様の天体が多く発見され、現在ではまとめて「活動銀河」と呼ばれています。活動銀河がそのように明るいのは中心に超巨大ブラックホールがあり、そこに吸い込まれていくガスや逆に噴出するジェットが明るく輝くのだと現在は考えられています。クェーサーでは、ブラックホールから噴出するジェットをほぼ正面から見ていると考えられています。


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