観測装置

サブミリ波の優れた望遠鏡群と、国立天文台が培ってきた技術・装置を合わせて、国際サブミリ波VLBI観測網を形成します。

観測対象であるブラックホールは、地球からの見かけの大きさがきわめて小さいため、その観測は困難でした。しかし、これらの観測装置を整備することにより、世界初のブラックホール撮像を目指すことも可能となります。

利用設備(施設)

国際サブミリ波VLBI網

下図が、国際サブミリ波VLBIのアレイ(=合成望遠鏡)の配置図です。

アメリカのアリゾナ(SMTO)、カリフォルニア(CARMA)、ハワイ(JCTM)の3局からなるアレイは、この研究の観測対象であるブラックホール Sgr A*を2008年に観測しました。

この観測は大変難しいものでしたが、Sgr A*が非常にコンパクトでありVLBIで観測可能であることが示されました。
 

その観測を行ったアメリカの3局に、南米チリにある国立天文台ASTE望遠鏡を加えて、国際サブミリ波VLBI網を形成します。
 

このアレイの基線長(=直径)は最大9000kmで、分解能が最大で30マイクロ秒角ほどとなり、Sgr A*のブラックホールシャドウサイズにほぼ匹敵します。観測できる天体の強度(光の明るさにあたる)も、検出可能な範囲です。

従来の3局(緑)に、図の下方にあるASTE(赤色)が加わることによって、アレイがぐっと拡大することがわかります。
 

ASTE10m望遠鏡 

日本の国立天文台がチリのアタカマ高地(標高4861m)に有している電波望遠鏡です。

サブミリ波で世界最高レベルの性能を達成しており、単一鏡としてはすでに大きな科学的成果を挙げています。
 

この研究にあたって、まずはASTE望遠鏡が国際サブミリ波VLBI網に加わるための整備を進めます。

性能/サイト条件にすぐれ、かつ南半球に位置するASTEの参加は、国際サブミリ波アレイの分解能を格段に向上させます。

 

ALMA

ALMA(Atacama Large Millimeter/sub-millimeter) Arrayは、国立天文台を含む国際協力でチリのアタカマ高地に建設中の超大型の電波干渉計で、合計66台のアンテナからなります。

このアンテナを結合し(phase-up)、サブミリ波VLBI観測の一局として使用する、ALMA phase-upプロジェクトが現在国際協力で計画されています。

ALMAは圧倒的な集光力を持っているので、ALMAのサブミリ波VLBIへの参加はその感度を飛躍的に向上させ、ブラックホール撮像が現実的になると期待されます。

 

その他の局

上に述べた以外のミリ波サブミリ波帯の観測局についても、ブラックホール撮像観測に用いるための検討が始まっています。

具体的にはフランス、スペイン、メキシコ、それに南極にある望遠鏡が候補に挙がっています。