第1回目の意中の人は
本間希樹さん

超多忙!“課長”の時間管理術

マダム

毎日お忙しそうですが...。“課長”の仕事に加えて、総研大(総合研究大学院大学)や、東京大学の大学院博士課程の学生7人を研究室で直接指導し、教官としても東京大学の教養学部で天文学の授業をなさってますよね。一日のタイムスケジュールって、どんな感じなんですか?

本間

その日によりますが、朝9時に出勤して、会議とか..ゼミとか..メール対応とか..うーん、帰りは...最近ちょっと遅いですね。夜9時か、遅い時は10時、11時になったりして。

マダム

プロジェクト・サイエンティストとしての仕事、ご自分の研究、学部の先生、博士課程7人の指導教官、メディア出演や講演依頼までこなすとなると...ものすごい仕事量で目が回りそうなんですけど!!(◎_◎;)

本間

むちゃくちゃ忙しいです。欲しいものはズバリ、時間!

で! 最近あまりにも時間がないものだから、朝から晩まで自分が何をしていたのか記録をつけてみたんです。これ見て下さい。

マダム

わっ!(驚)なんと!全部埋まってますね! Σ(゚д゚lll)

本間

これでわかったことは、まわりから降って来て対応しなきゃいけない仕事で一日が埋まっちゃうんです。このままだと研究の時間が捻出できない!

マダム

なぬっ!研究者なのに研究できない!?

本間

そう(笑)この中に自分の研究時間を1時間か2時間、がんばって無理矢理入れる努力をしないと研究ができない、という衝撃的な事実が露呈しました。

非常にあせりましたが、こうして記録して...現状を把握して、無駄はないのか追求して、管理することで、打開策が見えてきました。

マダム

レコーディング・ダイエットと同じ方式ですね。

本間

まさにそうです。数時間集中して研究するのは難しいですが、逆に1日1時間でも研究の時間をとれば少しは進むので、なんとかそれを確保する努力をしています。

おかげで1時間を上手く使う技術は習熟してきました。

マダム

課長の時間管理術、詳しくお願いします。

本間

人間って慣れるんですよ。こういうテクニックって言うのは、必要に追い込まれないと身に付けられないので(笑)。時間がないなりに、その1時間にどういう仕事を入れてどうするのかコントロールすると、1時間が上手く使えるんです。

今なら学生の頃の数倍の早さで論文が書ける。(笑)そのかわり学生の頃は完璧になるまで、自分で何度も読み返してましたけど、今はそこまで追求しないで割り切っています。

マダム

安定した品質でスピーディに数をこなす。プロとしての条件ですよね。

課長、これだけの仕事量を配分する工夫も教えてください!

本間

まずは全体像の把握ですね。修士課程を例にすると、2年でだいたいこんな感じ、という全体を見通す。そうすると、一年目はこれをやらないとダメで、そのためには最初の三ヶ月はこれだという風に、全体の中に細部を描いてブレイクダウンしていくと、最終的に明日何をやるべきかが出てくる。

マダム

ありがとうございます!課長の時間管理術、ぜひ見習いたいと思いました。

本間

主婦も同じだと思いますよ。時間をコントロールして、手を抜くところは抜かないと日々やってられない。そういうテクニックは主婦も持ってますよね。

マダム

そこ、わかってくれるの嬉しい♡

本間 希樹
氏名
本間 希樹 ほんま まれき
出身地
神奈川県生まれ
紹介
現在、国立天文台のVERAを用いて、銀河系の3次元構造の研究を進めています。 また、銀河中心の巨大ブラックホールを事象の地平線スケールまで分解するEHTプロジェクト(サブミリ波VLBI)も推進しています。 VERAの研究成果については記者発表:VERAの最新成果VERAの成果報告ページをご覧ください。
ビッシリ埋められたタイムスケジュール
ビッシリ埋められたタイムスケジュール

本間さんがスケジュールを把握するために書いたメモ