第17回目の意中の人は
田崎文得さん

ウェブ会議の最中に子どもが泣いて…

田崎

国際プロジェクトならではの苦労としては、ウェブ会議の時間が夜遅いことです。毎週EHTの各ワーキンググループのミーティングがあるんですが、夜11時スタートなんです。

マダム

会議はどこの国の時間に合わせているんですか?

田崎

どこかに合わせると言うより、全員が出られるように配慮した結果ですね。アメリカ東海岸が朝9時(EST)、西海岸は朝6時(PST)、ハワイは深夜の4時、ヨーロッパが昼でアジアは夜、日本は夜11時です。もう遅いのでウェブ会議には自宅から出席します。ある日、私がメモをとる係をしていると子どもが泣いてしまって…

マダム

どうされたんですか?

田崎

泣いている子どものところへ行くと伝えて、メモの係を代わってもらいます。子どもが3歳になった今でも、やはり夜中に仕事をするのは苦労しますね。それでも出産前後と比べればラクなのかも知れませんが。

研究と育児、両立のスタイルは?

マダム

出産前後はどうされましたか?

田崎

産休と育休を合わせて半年お休みしました。出産直後は夫が1ヶ月有給をとって一緒に育児をしてくれたので助かりました。とはいえ、生まれた直後はどうやって自分の睡眠をとるかが問題。寝ている夫を起こして、30分でいいから寝かせて欲しい、って頼んだこともありました。お願いだから変わってください!って。

マダム

わかります!産後3ヶ月ぐらいはその状態ですよね。

田崎

仕事に復帰しても、出張に行かれなかったり、決まった時間に保育園に迎えに行かないといけなかったりで、いままでと同じ働き方はできません。授乳をしているので眠くなりますし、眠くて仕事が進まなかった分、夜中に起きて研究するというのもなかなかできない。

マダム

生活スタイルがガラッと変わりますよね。

田崎

はい。子どもが1歳になってから、子連れで出張を再開しました。天文台は出張に伴う一時保育料をサポートしてくれるので、出張先で一時保育してくれるところを探して、昼は預け、仕事が終わったら迎えに行き、通勤ラッシュにあわないよう保育先の近くに宿をとって一緒に過ごしています。

マダム

仕事中は預けるとはいえ、出張先に子供を連れて行けるのは心強いですね。

田崎

そうですね。天文台は研究するための子育て支援制度が整っているので、ありがたいです。

田崎 文得
氏名
田崎 文得 たざき ふみえ
出身地
千葉県生まれ
紹介

京都大学大学院理学研究科で学位(博士)を取得。学生時はX線衛星を使って活動銀河核を研究しました。現在は水沢VLBI観測所の特任研究員としてVERAの運用に携わりながら、EHTプロジェクトの一員としてEHTのデータ解析、広報業務の取りまとめ役をしています。一児の母。水沢で暮らし始めて2年、休日には子どもを連れてお出かけしたり、産直で買った美味しい野菜や海の幸を堪能したりして、水沢ライフを楽しんでいます。