第20回目の意中の人は
高橋賢さん

ガンプラ少年から工学博士に

マダム

天文台へ転職するまでの道のりを聞きたいのですが、高橋さんは、もともと天文学や宇宙に興味があったのですか?

高橋

あまり興味はなかったです(笑)。ものづくりが好きで、小学生の頃はガンプラに夢中でした。机のまわりが初代ガンダムのプラモデルだらけ(笑)。もともと自分は文系ではないと感じていましたし、数学が得意だったこともあり、理系に進みました。一関工業高等専門学校を卒業した後、岩手大学工学部の電気工学科3年に編入学し、学部卒業後は大学院の博士課程まで進みました。博士論文のテーマは「植物の温度制御のモデリング」です。

マダム

植物の温度制御?

高橋

春に花を咲かす「ザゼンソウ」という植物は発熱するんですよ。それもただ発熱するだけでなく、寒くなったら熱を上げ、暑くなったら下げるように温度制御できるんです。その温度制御の仕組みがどうなっているかを、工学的にプログラムで再現しようとした研究です。

マダム

生命学的に研究するのではなく、「作ってみよう」という工学的なアプローチですね。 おもしろーい! ということは、パソコンに「ザゼンソウ」が……?

高橋

はい、できちゃいました(笑)。

民間企業から転職して天文台へ

高橋

卒業後は民間企業に就職して、ものづくりの工程を設計する仕事をしていました。4年前に天文台に転職して今に至る、という感じです。

マダム

なぜ天文台に転職しようと思ったのですか?

高橋

学生のころから研究機関で働きたいという思いがあり、その思いが強くなって転職しました。何か公募が出ていないか探していたところ、天文台のホームページで求人情報を見つけて応募したんです。

マダム

まめに国立天文台のホームページをチェックしていると時折、求人情報が出ていますよね。天文台の働き心地はいかがですか。

高橋

専門性を追求できる魅力的な職場です。しかも、自分の裁量に任せてもらえる自由度が高い。責任は重いですが、やりがいがあります。今まで力を入れていた「監視システム」が完成したので、次は情報セキュリティに力を入れたいと考えています。

高橋 賢
氏名
高橋 賢 たかはし けん
出身地
岩手県生まれ
紹介

国立天文台水沢VLBI観測所の特定技術職員として、観測システム用計算機の運用保守管理、ネットワークの運用保守管理、ウェブサーバの運用保守管理、情報セキュリティマネジメント、スパコン運用保守の現地サポートなどを担当しています。休日は家族で外に出かけ、山登りや趣味の釣りを楽しんでいます。ロックバンドLUNA SEAのファン。ライブに行くのが楽しみです。

ガンプラ

『機動戦士ガンダム』 シリーズのプラモデルのこと

初代ガンダム

ガンダムシリーズ1作目の『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツRX-78のこと。