天文台へ転職するまでの道のりを聞きたいのですが、高橋さんは、もともと天文学や宇宙に興味があったのですか?
あまり興味はなかったです(笑)。ものづくりが好きで、小学生の頃はガンプラに夢中でした。机のまわりが初代ガンダムのプラモデルだらけ(笑)。もともと自分は文系ではないと感じていましたし、数学が得意だったこともあり、理系に進みました。一関工業高等専門学校を卒業した後、岩手大学工学部の電気工学科3年に編入学し、学部卒業後は大学院の博士課程まで進みました。博士論文のテーマは「植物の温度制御のモデリング」です。
植物の温度制御?
春に花を咲かす「ザゼンソウ」という植物は発熱するんですよ。それもただ発熱するだけでなく、寒くなったら熱を上げ、暑くなったら下げるように温度制御できるんです。その温度制御の仕組みがどうなっているかを、工学的にプログラムで再現しようとした研究です。
生命学的に研究するのではなく、「作ってみよう」という工学的なアプローチですね。 おもしろーい! ということは、パソコンに「ザゼンソウ」が……?
はい、できちゃいました(笑)。
卒業後は民間企業に就職して、ものづくりの工程を設計する仕事をしていました。4年前に天文台に転職して今に至る、という感じです。
なぜ天文台に転職しようと思ったのですか?
学生のころから研究機関で働きたいという思いがあり、その思いが強くなって転職しました。何か公募が出ていないか探していたところ、天文台のホームページで求人情報を見つけて応募したんです。
まめに国立天文台のホームページをチェックしていると時折、求人情報が出ていますよね。天文台の働き心地はいかがですか。
専門性を追求できる魅力的な職場です。しかも、自分の裁量に任せてもらえる自由度が高い。責任は重いですが、やりがいがあります。今まで力を入れていた「監視システム」が完成したので、次は情報セキュリティに力を入れたいと考えています。