第3回目の意中の人は
松本尚子さん

いまどんな研究を?

マダム

松本さんがいま取り組んでいる研究について教えてもらえますか?

松本

「銀河系の棒状構造もしくはバルジの動力学的研究」です。

銀河系の腕の根元部分でガスが作っている棒状の構造をバー構造って呼んでいるんですけれども、そのガスのところでは星が生まれているので、星形成の研究になるんですが、潰れたラグビーボールの形をしていると言われているバルジの方は古い星で構成されているので、晩期型星の研究になるんです。

晩期型星の方はまだデータがほぼないので、これから日本のVERA(ベラ)と韓国の3台の電波望遠鏡KVN(ケー・ヴィ・エヌ)を合わせてKaVA(カヴァ:KVN and VERA Array)と呼んでいるんですけど、このKaVAで感度の良い観測をして、バルジの領域の晩期型星も見えてくるとおもしろいかなと思いながらやってます。

マダム

そこは銀河の中心に近い部分なんですか?

銀河系のここを研究しています
銀河系のここを研究しています
こういう構造を説明中
こういう構造を説明中
松本

腕の付け根です。バーがあってそこから腕が生えてると思ってるんですけれど、バーと腕のくっついているところをVERAで観測してます。

松本

奥行きがある構造と運動は、やっぱり3次元で測らないと、どういうふうに動いているか正確にわからないので、2次元ではなくて3次元で調べたい。

マダム

それがわかると?

松本

きっと!どのくらいのポテンシャルが、どういうふうに分布しているから、こういう構造を作っている、というところに行き着くと思います。やんわりですけど。

なので、ひたすら観測してデータを増やしたいです。

松本 尚子
氏名
松本 尚子 まつもと なおこ
出身地
滋賀県生まれ
紹介

国立天文台 水沢VLBI観測所のプロジェクト研究員としてVERAに携わり、本プロジェクトの目的である銀河系3次元立体構造の精密測定で、 主に銀河系の棒状構造に着目しています。
また、銀河系を構成する大質量星形成領域や 晩期型星の周辺構造の研究も行っています。
最近は日韓合同VLBI観測にも注力しています。