第8回目の意中の人は
秋山和徳さん

医学を志していた子供時代

マダム

研究者になろうと意識したのは、いつごろからですか?

秋山

小学校3、4年生のころですね。子供のころから本を読むのが好きで、野口英世の伝記を読んで心をひかれました。黄熱病に向かって一生懸命に研究した姿がかっこいいなって。じつは僕、医者になりたかったんですよ。小学校1年生になるまで、体がすごく弱くて病院に入院してばかりいたんです。そういう背景もあって、基礎医学の研究者になりたいと思ったんです。

受験勉強で天文に出会う

秋山

中学生のときにブルーバックスの「物理のABC」という本を読んで、物理に興味を持ちました。数学はもともと好きだったので、高校生のときは医学か物理かで悩みましたが、最終的に物理を応用するようなことがやりたいと思って、大学は北海道大学の理学部物理学科を選びました。

マダム

まだ天文には目覚めていないんですね。

秋山

天文に触れたのは、大学受験で地学を勉強したときですね。大学は物理と地学で受験しているんですよ。天文の問題って力学だったりするので、天体の現象を物理で追えるようになると、おもしろいんです。

マダム

受験勉強で天文に出会ったんですね。あれっ?物理・地学で受験ってめずらしいのでは?

秋山

化学が嫌いだったので(ボソッ)。

マダム

あははは。学問から星の世界に入ってきたんですね。

秋山

そう。物理の知識を使って、ちがう分野の問題に挑むのが楽しかった。天文少年ではなかったです。東京育ちで、あまり星空を観る機会もなくて、とくに星空にロマンを感じることはなかったんですけれど、勉強して、光の情報から物理に落とし込めるようになって「星ってすごく面白いなあ!」と思ったんですよ。

その後、大学の研究室で電波天文学の面白さに引き込まれ、現在に至る。
大学で電波天文学の面白さに引き込まれ、現在に至る。
マダム

なるほど!!すごく納得しました。なるべくして研究者の道に入っていったのではという気がします。

秋山 和徳
氏名
秋山 和徳 あきやま かずのり
出身地
東京都生まれ
紹介

国立天文台 水沢VLBI観測所のメンバーも参加して国際的に進められているEHTプロジェクトの一員として、ブラックホールの人類初の写真撮影に向けた準備研究を行っています。
またブラックホールから噴出するジェットとよばれる不思議な現象の研究をはじめとした、ブラックホールの近くで起こる高エネルギー現象の観測的研究をVERAや日韓VLBI観測網などを用いて行っています。