韓国から来ました

韓国から来ました

マダム

ソウル大学→東京大学→韓国KASI→国立天文台と順調にキャリアを重ねる若手女性研究者の金美京(キム・ミキョン)さん、日韓を渡り歩く実力派科学者という印象を受けますが、海外で研究しようと思ったきっかけを教えてください。

キム

大学卒業後の進路を考えていた時に、奨学金で日本へ行ってVLBIの勉強ができるチャンスがあり、応募したのがきっかけです。

マダム

VLBIを学ぶにはアメリカ、ヨーロッパ等の選択肢もあります。なぜ日本を選んだのですか?

キム

韓国のVLBIであるKVN(Korean VLBI Network)の計画を知ったからです。日本でVLBIを勉強すれば、将来は日本と協力しながら韓国でも活躍できる。魅力を感じました。話を聞くためKVNを立ち上げた関係者に会いに行くと、「日本にはVERAがあって、すでに観測が始まっているから勉強してきなさい」と背中を押してくれました。KVN関係者には日本の野辺山宇宙電波観測所で学び学位を取った方も多く、研究者同士のつながりがある日本へ行くことにしたんです。

韓国の熾烈な受験事情

マダム

キムさんはソウル大学の出身ですよね。韓国の熾烈な受験事情のなかでも、とくにソウル大学を目指す大変さは日本の報道でも目にします。キムさんの受験話を聞かせてください。

キム

韓国では夕方5時に授業が終わってからも夜間自律学習として夜9時頃まで学校があります。そのあとも塾へ行き夜12時頃まで勉強する子は多かったですね。帰りが遅くなるので、学校の外に塾の車が待っていて送迎してくれるんです。

マダム

すごいですね。キムさんも塾へ?

キム

いえ、私は塾には行っていません。学校が終わると家に帰って寝ました(笑)。塾で疲れて翌日の授業で居眠りしているクラスメートを見て、大変だなあと思って。授業をしっかり聞いて覚えればいいのにもったいないな、と思う気持ちもありました。

マダム

のびのび勉強して、しっかり眠って、クリアな頭でまた勉強する。

キム

はい、睡眠はとっていました。私は運が良かったんです。理系なのに数学が苦手で、そんなに成績は良くなかったんですが、高校3年の担任が数学の先生で、私に「苦手科目の数学さえできるようになれば成績が伸びる」と通常の3倍くらい数学の課題を出してくれて。その先生に指導してもらったおかげで数学の成績が上がり、ソウル大学に合格できました。

マダム

素晴らしい。そして研究の道を志し日本へ!

美肌の秘密は睡眠
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記事公開日: 2020年3月30日