疎性モデリング技法による超解像撮像の可能性を示した論文が完成

超巨大ブラックホールの撮像では、VLBIで如何に高い分解能(視力)を得るかが最も重要です。
しかし、分解能は波長と基線長の比から決まり、波長は観測技術的で、また基線長は地球の大きさで制限されるので、無限に高くすることはできません。

この困難をデータ解析的に解決する手法として、我々は疎性モデリングの手法を用いて解像度を従来よりも向上させる超解像技法の検討を行いました。
詳しいシミュレーションの結果、このような手法を用いて、従来に比べて数倍程度分解能を向上させることができる可能性が示されます。

このような手法を今後実観測データに適用することで、ブラックホールの直接撮像に大きなインパクトを与えることが期待されます。

論文
Honma, Akiyama, Uemura & Ikeda, PASJ, 2014, in press
"Super-resolution imaging with radio interferometer using sparse modeling"

ブラックホールシャドウの超解像撮像のシミュレーション。左が見たい画像、中央が通常の電波写真 (分解能が不足して構造がぼやけている)、右が疎性モデリングによる超解像イメージ。上段はドーナッツ形状のシャドウ、下段は三日月形状のシャドウを仮定している。