電波干渉計で画像を得るための新たな手法を提唱

観測データの一つである『位相』という量の誤差 (真の位相とのズレ) が大きいと、どんなに優れた画像復元手法を使ってもブラックホールシャドウを見ることができません。観測位相からは『クロージャー位相』というより誤差の少ない量を計算することができるのですが、この時に多くの位相情報を失うため、クロージャー位相を使っても画像の復元は困難です。

そこで我々は疎性モデリングの手法を応用して、クロージャー位相から誤差の小さい位相を取得する手法の検討を行いました。詳しいシミュレーションの結果、この手法を用いて誤差を取り除いたデータから、ブラックホールシャドウを復元できることがわかりました。我々はこの手法を PRECL と名付け、これがブラックホール撮像への大きなステップとなることを期待しています。

論文:
Ikeda, Tazaki, Akiyama, Hada, & Honma, PASJ, 2016, 68, 45
"PRECL: A new method for interferometry imaging from closure phase"