巨大ブラックホールから噴出するジェットの観測研究をまとめた論文が出版されました!

本プロジェクトのメンバーで水沢VLBI観測所の秦和弘が活動銀河ジェットに関する近年の観測研究をまとめたレビュー論文を出版しました。活動銀河ジェットとは、銀河の中心の巨大ブラックホールによって駆動される高エネルギーの噴出ガスのことで、例えばEHTでブラックホールシャドウが撮影されたM87は最も代表的な活動銀河ジェット天体の1つです。その形成メカニズムは天文学史上最大の謎の1つとして長年に渡り活発に研究が行われています。

本レビュー論文では、EHTによるM87ブラックホールシャドウ観測成果に加え、M87をはじめとする様々な巨大ブラックホールジェット天体について、特にVLBIに基づくジェットの根元の観測研究について近年の様々な研究成果をレビューし、これまでにわかったこと、まだわからないこと、そして次に取り組むべき課題などをまとめました。ブラックホールジェットの研究はEHTやEAVNの拡張によって今後一層の進展が期待されます。

 

論文: Kazuhiro Hada, Galaxies, 2020, 8, 1 "Relativistic Jets from AGN Viewed at Highest Angular Resolution"
https://www.mdpi.com/2075-4434/8/1/1

文責: 秦和弘