1. 電磁波
    私たちの目に見える光 (可視光) を含め、波長が長い電波から、波長の短いガンマ線までを総称して電磁波と呼びます。電磁波のことを単に「光」ということもあります。
  2. VLBI (Very Long Baseline Interferometer; 超長基線電波干渉計)
    VLBIは数百kmから数千km離れた望遠鏡同士を電波干渉計として合成し、極めて高い分解能を得る観測技術です。電波だけでなく、可視光、X線なども含めたありとあらゆる波長帯の望遠鏡の中で、最も高い分解能を達成しています。
  3. 活動銀河、活動銀河中心核
    銀河の中には、中心核の小さい領域が非常に明るく輝くものがあります。これを活動銀河と呼びます。中心には巨大ブラックホールがあり、そこに吸い込まれていくガスや逆に噴出するジェット(次の項目) が明るく輝くと考えられています。
  4. ジェット
    巨大ブラックホールの近傍から噴出する、高速のプラズマ流です。光速の90%以上もの速度を持ち、細く絞られた形状を保ったまま、銀河の外まで伸びていることが大きな特徴です。どのように巨大ブラックホールの重力を振り切り、ジェットが形成されるのか、その解明が天文学の大きな課題です。
  5. 相関処理
    各望遠鏡で観測されたデータを、位置が離れている分だけの時間をずらして重ね合わせる作業のことです。
  6. マイクロ秒角
    角度の単位で、1秒角の100万分の1に相当します。1秒角は1度の3600分の1です。EHTの解像度 25マイクロ秒角は、人間の視力に直すと、視力約300万に相当します。
  7. スパースモデリング
  8. 機械学習や統計学で用いられている技法の一つで、解が無限に存在するような劣決定問題であっても、意味のある値をもつパラメータがなるべく少なくなるように、解を選ぶ方法です。VLBIの画像復元の場合は、得られる画像が持つ情報が少ない (多くの画素値がゼロ、隣り合う画素の値が近いこと) を仮定して、問題を解いています。