ご挨拶

国立天文台RISE月惑星探査プロジェクトは、これまで、月周回衛星「かぐや」において、重力と地形の測定を担当し、レーザ高度計やVLBI電波源などの機器開発と打ち上げ後の運用とデータ解析を行いました。世界で初めて、月の裏側の正確な重力場を求め、月の極域を含む地形を明らかにしました。また、小惑星探査機「はやぶさ2」においてはJAXAや国内外の共同研究者とともにレーザ高度計による科学観測の準備を進めました。同時に木星系探査計画「JUICEミッション」にドイツ、スイス、スペインと国際共同チームを組んで参画し、ガニメデレーザ高度計(GALA)の開発を実施しました。

2020年7月より、RISE月惑星探査プロジェクトは2022年度までの3年間のAプロジェクトとして、JAXAの火星衛星計画(MMX)を中心に活動を行うことになりました.このプロジェクトでは、天体の内部構造を調べることにより進化と起源を探るという研究の軸を発展させ、火星の衛星フォボスの測地学的研究を行っていきます。国立天文台として日本の次期惑星探査に貢献していきます。

(2021年1月27日)