イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)が2020 基礎物理学ブレイクスルー賞を受賞

イベント・ホライズン・テレスコープ(EventHorizonTelescope:EHT)が2019年4月10日に発表したM87ブラックホールシャドウの直接撮像の成果に対して、基礎物理学ブレイクスルー賞の受賞が決定しました。ブレイクスルー賞(2012年~)は、生命科学、基礎物理学、数学の3分野に対して、ブレイクスルー財団とその設立メンバーから授与されるものです。

受賞理由は、「ブラックホールはどのように見えるか?」の問いに対して、今回、最大の成果を上げたとしています。南極大陸、チリ、メキシコ、ハワイ、アリゾナ、スペインにある8つの電波望遠鏡が連携し、20の国と地域で活動する60機関の研究者が協力して観測を行いました。そして新しいアルゴリズムと入念なデータ解析を重ねてM87銀河の中心にある巨大ブラックホールを描き出し、一般相対性理論による光の経路から予想される"影"としての姿を世界で初めて確認しました。

第8回ブレイクスルー賞の授賞式は11月3日にアメリカ カリフォルニア州マウンテンビューにあるNASAエイムス研究所(NASA Ames Research Center in Mountain View)で開催されます。今回の受賞に際しEHTでは、代表を務めるハーバードスミソニアン天文物理学センターのシェップ・ドールマン(Shep Doeleman)が受賞者全員を代表し受け取る予定としています。受賞による300万ドルの賞金は、2019年4月10日に出版されたEHTによる6つの論文を共同執筆した347名で等しく配分されるとのことです。

今回の受賞に対して、EHT日本チームの代表を務める本間所長は、以下のように述べています。
「M87の研究成果によってこのような世界的な賞を受賞することは大変な名誉であり、とても喜ばしく思います。特に、今回チームのメンバー全員での受賞となったことが大変素晴らしく、その一員であることを誇りに思います。
この研究をさらに発展させ、さらなる成果を目指したいと思います。まず次のステップはもう一つの重要な観測ターゲットであるいて座Aスターの画像化です。一方で、M87のジェットの謎についても研究しつつ、将来的にはブラックホールの動画撮影も目指したいと思います。」
また秦助教は
「このような栄誉ある賞を頂戴し大変嬉しく思います。共通の目標を持って団結し、切磋琢磨しあった国際チームのメンバー全員とこの喜びを分かち合いたいと思います。
今後はEHTに加え、VERAを含む東アジア地域の電波望遠鏡ネットワークによる観測も一層強化することで、ブラックホール周辺のガスの運動の様子などを更に詳しく解き明かしたいと考えています。」
と述べています。

水沢VLBI観測所からは水沢VLBI観測所所長 本間希樹 教授、秦和弘 助教、小山友明 特任専門員、田崎文得 特任研究員とCui Yuzhu、沖野大貴の2名の学生が参加しています。


参考

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文責:小澤友彦

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