寺家さんは子供のころから、天文学がお好きだったんでしょうか?
いえ(笑)。もともとは火山学がやりたくて、鹿児島大学では火山学の専攻でした。VLBIをやって、GPSを使って桜島のマグマの動きを調べようと考えていたんです。ところがVLBIを担当しているうちに、いつのまにか…。
出発するまで日本での準備期間ってどれくらいあったんですか?
一年間です。そのあいだに訓練があります。冬訓練は乗鞍でやりました。雪に穴を掘ってテントを設営してから、その中で一晩すごすビバーク訓練とか、ロープと方位磁石だけでルートをつくって行って帰ってくる訓練とか、いわゆる雪中行軍ですね。夏訓練は菅平でした。ロープを使ったラッシングの講習からはじまって、救助と救急救命の訓練などをやりました。
昭和基地から遠くへ出かけるときの安全管理はどうなっているんですか?
南極生活のエピソードをお聞かせいただけますか?
観測をする衛星受信棟は生活棟とは別の建物なので、ブリザートがくるとしばらく閉じ込められてしまいます。非常食を持っているので、そこでも過ごせるんですけれど。
非常食よりもふつうのご飯が食べたいですよね。昭和基地の食事はいかがでしたか?
天文学者が南極へ、何をしに行かれたんでしょうか?
昭和基地のVLBIの立ち上げと観測です。「(初代)しらせ」に乗って1997年の11月から1999年の3月まで、第39次の南極越冬隊員として行きました。
ご自身で志願して行かれたんですか?
はい、志願制です。向こうに行ったらVLBIは1から10まで全部を自分達観測隊員でやらないといけないですから、かなり忙しくて、あっという間でした。