図：最も近い活動銀河ジェットを持つおとめ座 A (画像クレジット:国立天文台/AND You Inc.、関連ページ)
宇宙には私たちの天の川銀河系の他にも数多くの銀河が存在し、その中心には太陽のおよそ100 万倍から数10 億倍の質量をもつ超巨大ブラックホールが存在していると考えられています。私たちの天の川銀河の中心にあると考えられている超巨大ブラックホールは活発な活動をしていませんが、宇宙を構成している銀河の中には中心のブラックホールの周辺の領域がとても活発に活動している「活動銀河」と呼ばれる天体が数多くあります。その活動銀河の中心の超巨大ブラックホールからは、莫大なエネルギーを宇宙空間へと運ぶ細長いプラズマガスの流れ「ジェット」を噴出していることが知られています。これまでの研究から活動銀河からでるジェットは光の速さの99 ％という驚くべきスピードを持っていることが明らかになっています。しかしどのようにしてガスが噴出しているのか、なぜ噴出するガスは細く絞られるのか、なぜ光の速さ近くまで加速されるのか、などの基本的なことがまだわかっておらず、ジェットに関する多くの性質・現象が宇宙物理学の未解決問題として残っています。
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