ないならば作ってしまおう、監視システム

ないならば作ってしまおう、監視システム

マダム

ネットワークインフラの仕事についても教えてください。

高橋

VERAの観測はインターネット回線を使って水沢から各局をコントロールしています。観測開始・終了などの指令を送ったり、データを転送するためのVERA4局を結ぶネットワークインフラを保守管理しています。 この「監視システム」の画面で全てのネットワークの状態が正常かどうかを見られます。異常を検知すると画面表示だけでなくスマホにも通知が来るようにしていて、24時間通知が来ます。

マダム

全て「正常」と表示されていますね。素晴らしい! 多数のネットワークの状態が一目瞭然でわかりやすいシステムですね。

高橋

Zabbix(ザビックス)というソフトを使って、ネットワークや計算機の状態をモニターするシステムを構築しました。このところ私が一番力を入れていた仕事で最近やっと完成したんです。

マダム

えっ、この監視システムを高橋さんが作ったんですか? これって会社が請け負うような仕事なのでは。

高橋

まあ、予算もないですし……というよりは、自分が作りたくて作っちゃっいました(笑)。以前は対処が後手後手に回ってしまうことがあったので、こういうシステムを作りたいと常々思っていたんです。

マダム

保守作業の合間に一人で着々と。完成させるまでにご苦労もあったのでは?

高橋

自分の仕事がラクになるものを作るので苦労とは感じていませんが、あえて言うなら機器の数が多いのが大変でした。計算機32台(1局8台×4局)の状況と、ネット機器28台(1局7台×4局)、それから水沢キャンパスのIP電話、ネットワーク機器が十数台、それとウェブサーバ。これら全部についてひとつひとつ「これを監視してください」と設定して、実際に機器が動くかテストして……という地味な作業を積み重ねていった結果、めでたく完成しました。

マダム

完成して使い心地はいかがですか。

高橋

快適です(笑)。システム構築の詳細は、「天文学に関する技術シンポジウム」で近々発表する予定です。でも実は、ITやネットワークの仕事は天文台にきてから始めたんです。転職前は民間企業でまったく違う仕事をしていました。