世界と勝負!そして国際協力

世界と勝負!そして国際協力

本間

アメリカが色々な研究者に観測時間を細かく分配する方式なのに対し 、VERAは単一目的。アメリカとは対照的に、特定の研究目的のために望遠鏡を占有するという方式なんです。

マダム

銀河系の構造を調べるために、ひたすら観測するというわけですね。

本間

そうです。そうしたら何が起きたかというと、2007年頃からアメリカが方針を変えてきたんです。今までとは逆に、観測時間を何千時間も占有して大きなプロジェクトをやると。VERAの成果が出始めたことによって、この分野が面白いってわかっちゃった。(笑)

マダム

露骨にVERAの真似してるじゃないですか!ぬぬぬ!(怒)

本間

まぁまぁまぁ..(汗;)ライバルと言えばライバルですし、アメリカに言わせれば、VLBIの手法自体は日本より先にやってますから、自分たちこそ本家だと言いたいかもしれないですし。

僕もハーバードの研究者と一緒に論文を書くこともあるので、ある意味ライバルなんだけど共同研究者でもある、という関係でやってます。

マダム

国立天文台の研究者って、国際競争ビジネスのような面があるんですね。

本間

相手の情報を仕入れて、自分の「売り」を出すためにどう差別化を図るか、でも、お互いにとってメリットがあるところでは手を組みましょう、というアプローチは似ていると思います。お金を稼ぐか、宇宙の真実を明らかにするか、最終目的のちがいですよね。

マダム

世界を舞台に戦ったり、協力したり。「課長・島耕作」とイメージが被ります。

愛がある

本間

VLBIは装置の性格上、国際協力しやすい分野なんですよ。日本のアレイと外国のアレイが別々にやれば競争ですけど、組み合わせて観測すれば高い精度を出しやすい。それが一目瞭然なわけです。だからうまい協力がないかなぁって常に意識しています。

僕はそれ、VLBIのすごく好きなところなんですよ。

VERA の成果が世界で認められて、「日本はVERAでこんなことやってますよね、一緒にやりませんか?」と言われる機会が増えました。嬉しいですね。

マダム

フレンドリーなんですね。

本間

VLB「I」。愛ですよ。愛。

マダム

課長!さすがっ♡

課長本間希樹
課長本間希樹