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VERA NEWS

位相補償イメージングに成功 (第22号:2004年6月25日発行)

2003年からすすめられているVERAの2ビーム試験観測で、2ビーム間で位相補償した電波写真を得ることに成功しました。

鹿児島大学の榊原誠一郎氏を中心とするグループは遠方のQSOである3C345とNRA0512を2ビームで同時に観測し、3C345の観測位相に準拠してNRA0512のイメージを描き、またその相対離角を測定してきました。これまでは、相関処理する際の予測値計算モデルに不具合があったため、NRA0512の像が正しく焦点を結びませんでしたが、2003年末にこの不具合が改修されてからは、焦点を結んだ天体写真が得られ、2天体の離角も測定可能になりました。
これまでの複数回の観測で両天体の離角を比較したところ、300マイクロ秒角程度の精度で2天体間の距離が一定であることも確認されました。

今後は相関器の予測値モデルの精度をさらに向上させてゆくことで、離角の決定がより高精度に行えるようになると期待されます。

>> PDF(173KB)


VERAで得られた3C345(左)とNRA0512(右)の電波写真。
位相補償されたNRA0512の電波写真も焦点を結んでおり、両天体の離角を測定することが可能になった。



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