「第24回天文学に関する技術シンポジウム」開催報告

 

 2004年12月13日〜15日の3日間、国立天文台技術系職員会議主催の第24回天
文学に関する技術シンポジウムが、岩手県水沢市で開催されました。
 今年度は、天文台技術系職員会議運営委員会での検討結果を踏まえて「原点
に返った、時間に余裕を持たせた新しいシンポジウム」として企画されました。
今迄総講演時間の関係でポスター発表へ切り替えた例が多かった反省から、開
催期間を2泊3日と増やし、「ふだんの仕事内容紹介から成果まで」を目指し、
全ての講演を口頭発表としました。
 構成は、天文台の各プロジェクトや関連技術分野ごととしましたが、今回は
特別に「法人化後の大学共同利用機関の技術職員と組織」と題したセッション
を設け、各研究機関の技術組織を代表する方々から、お話ししていただきまし
た。講演内容は、「生理学研究所技術課の現状」、「核融合科学研究所技術部
の組織運営」、「法人化後のKEKの技術組織と技術者について」、「三機関統
合前後の宇宙科学研究本部の技術組織」と、幅広いものでした。これを受けて
天文台からは、技術主幹が「法人化後の国立天文台 −運営と技術組織−」と
題して報告しました。

    熱心に討議する参加者たち

           熱心に討議する参加者たち

 参加者総数は57名、総講演数38で、天文台以外の試験研究機関や学生の方々
に8名参加して頂きました。参加者からは、「ゆっくり色々な人達の発表を聴
けた」「プロジェクト毎に大体何をやっているかが判って良かった」「他機関
技術部の話が新鮮で、これからの天文台の技系組織を考える上で役立った」な
どと好評でした。また、初めて発表される方も分かりやすくまとめられ、良か
ったと思います。
 エクスカーションは、水沢観測所内木村記念館やVERA20m鏡・観測棟・AOC室
と、江刺地球潮汐観測施設の二手に分かれ、帰りの新幹線の発車時間ぎりぎり
まで熱心に見学していだだきました。
 今回の水沢での開催は、参加者数が多く観測所内会議室に入りきらないとの
判断で、市内の会議室を借用する初めての試みとなりました。法人化後初めて
の開催と言う事で、内容面の企画や旅費及び会場費等の予算面で関係各位には
多大なご協力を頂きました。深謝致します。
 来年度へ向けた反省点として、サーキュラーをもっと皆さんへ行き渡らせる
必要があるとか、研究系技術畑の人にも呼びかける等の他に、年二回の開催を
という積極的な意見もあります。法人化後の新たな試みを始めた「天文学に関
する技術シンポジウム」ですが、更なる発展を期待します。
     「国立天文台ニュ−ス No.140より転載」<VERA観測所 佐藤克久>