イーハトーブ宇宙実践センターへの水沢地区の協力について

 

 最近、国立天文台水沢地区のバックアップを受けて、民間団体のイーハトー
ブ宇宙実践センター(大江昌嗣代表幹事)が天文学や理科普及や地域との交流
などの幅広い活動を目的として活動を開始しました。
 その活動の記念企画として、水沢観測所で5月22日(土)夕方に「天文台で
スターウオッチング」という観望会が企画されました。この企画は、地元の小
中学生を中心とした活動を行って昨年創立10周年を向かえた宇宙少年団水沢Z
分団(阿部恵彦分団長)と共催で行われ、水沢観測所は協力する形で行われま
した。当日は、あいにく雨が降りましたが、それでも100名の参加者があり、
関心の高さが伺えました。ホスト側は、天文台関係者以外にも、水沢星のサー
クル、北上天文同好会などの地元や近隣の天文愛好家が参加され、一大イベン
トになりました。
 雨のため望遠鏡は出せませんでしたが、水沢観測所の歩みをまとめた「ふし
ぎの星・地球」のビデオや月のクレータの映像の上映、水沢にあるVERA20m電
波望遠鏡の見学会を行いました。特に、VERA望遠鏡は、夜間に低圧ナトリウム
ランプによって橙色に浮かび上がった姿を一般の方々にお見せする機会が殆ど
ないため、参加者はライトアップされた望遠鏡が動く様子に歓声を上げていま
した。

   アンテナの説明を受ける参加者

       アンテナの説明を受ける参加者(5月22日)

 次の企画として、6月8日(水)午後2時から夕方まで、金星の太陽面通過観
察会を水沢市中心街にあるペガサス広場にて行いました。これは、天文台側の
発案で始めましたが、最終的に、イートーブ宇宙実践センター主催で国立天文
台水沢地区の協力という形式で行いました。こちらも、直前の6月5日(土)の
国立天文台水沢地区の特別公開でのアピールなど、かなり用意周到に行いまし
たが、当日はやはり無常の雨。金星の太陽面通過関連展示とインターネット中
継をしながら、会を強行しました。こんな状況でも熱心な方が会場を訪れられ、
逆にこちらが勇気付けられました。
 今後、イーハトーブ宇宙実践センターは、中学生をターゲットとした夏休み
特別講座なども水沢観測所を会場として企画しています。(こちらは、電波望
遠鏡を使うので、雨でも大丈夫!?)
 これまで11年間活発に活動している宇宙少年団水沢Z分団への協力同様に、こ
の生まれたばかりの新しい活動拠点にも適切な協力関係が国立天文台に期待さ
れています。
     「国立天文台ニュ−ス No.134より転載」<VERA観測所 亀谷 收>