「イーハトーブ・サイエンスメイト開催」報告

 

 平成16年7月31日と8月1日の二日間に亘り、国立天文台水沢観測所にて中学
生対象の特別講座が開催されました。「イーハトーブ・サイエンスメイト夏休
み特別講座・ミッション宇宙探偵団」と銘打ったこの企画は、イーハトーブ宇
宙実践センターの主催、国立天文台水沢観測所の共催によって実現しました。
イーハトーブ宇宙実践センターとは、“開かれた天文台”を実現するため、天
文台のOBと職員、および市民によって設立された任意団体です(詳しくはhttp:
//www16.ocn.ne.ip/isac/を参照)。4つの中学校より1年生から3年生まで計11
名(男子8名、女子3名)の参加がありました。
 開校式に続いて、施設見学の一環として参加者には10mアンテナの面上にあ
がるという体験をしてもらい、その後2班に分かれて体験学習を行いました。
「太陽の電波を受けよう!」の班は電磁波と電波望遠鏡について学び、10m電
波望遠鏡を自分で動かして太陽からの電波を受信し、音として聞くという体験
をしました。「BSで遊ぼう!」の班はパソコンでケブラーの法則や静止衛星の
原理を体感・学習し、その後自分たちで工夫してBS放送を中華なべで受信する
ことに挑戦してもらいました。また、電波の反射・吸収についての実験も行い
ました。

    中華なべでBSが見られたよ

           中華なべでBSが見られたよ

 みんな揃っての夕食の後にはお楽しみのスイカ割り。スターウオッチングの
準備もしたのですが、残念ながら曇天に阻まれてしまい、星空写真のスライド
上映やミニプラネタリウム上映が急遽行われました。夜9時過ぎまで星、宇宙、
地球の話に花が咲きました。
 二日目は前日と班を入れ替えて体験学習し、閉校式では発見したことや感想
をそれぞれが述べ合ってお昼前に解散しました。面白かった、楽しかった、貴
重な体験ができたという肯定的な感想も多く、2ヶ月前から準備をしてきた8人
のスタッフにとっても「やってよかった!」と思える企画となりました。ただ、
水沢で中学生講座を開くのは初めてとあって反省点もいくつかありました。例
えば、積極的な生徒と受身の生徒のバランスをどうとるか、上級生と下級生の
確執をどう緩和するか、宿泊施設のキャパシティー不足をどう解消するかなど
です。今回の反省を踏まえて今後もより魅力ある講座を開き、子供のうちから
天文や地球について興味を持ってもらえるような場を提供する努力を続けてい
こうと考えています。
     「国立天文台ニュ−ス No.136より転載」<水沢観測所 松本晃治>