第3回 イーハトーブ サイエンスメイト
    夏休み特別講座「ミッション宇宙探偵団」
    ジュニア編報告

 

 サイエンスメイトは岩手の世界最先端の科学や技術を中学生の時代に体感し、
その素晴らしさを知ってもらうことを目的として、地元のNPO法人・イーハト
ーブ宇宙実践センターが主催し、国立天文台が共催という形で行われています。
今回が3回目の開催で、水沢VERA観測所を会場として7月29日〜30日の1泊2日で
行われました。
 今回は4名(内男子1名)という少ない参加者でしたが、天文台スタッフの指
導の下、1日目は「ゲルマニウムラジオの製作」(担当:鶴田、浅利)、2日
目は「太陽の電波の音を聴こう!」(担当:亀谷)という2つの体験をしまし
た。
 1日目の午後開校式が行われ、施設見学の後、ラジオの製作に取り掛かりま
した。電気も電池も使わず、ほんとに聞こえるのかどうか半信半疑の気持ちで
悪戦苦闘しながら作っていました。それでも3時間かけて出来上がったラジオ
をアンテナにつないでNHKと民放の両方が聞こえた時には「聞こえた!」とい
う大きな声が響きました。男子生徒は今回が3回目のラジオ作りということで
したが、初めて聞こえたと大変喜んでいました。

    コイル巻きに奮闘する生徒達

          コイル巻きに奮闘する生徒達

    完成したラジオを持って記念撮影

         完成したラジオを持って記念撮影

 興奮して夜遅くまで寝ることができなかった生徒達も、何とか朝食には起き
て来ることが出来ました。2日目の日程は8時30分より電波望遠鏡の見学から始
めました。水沢10m電波望遠鏡の鏡面までとうとう登れなかった女子生徒達も
VERA水沢局20m電波望遠鏡の受信機室までは頑張って登ることができました。
その後、水沢10m電波望遠鏡を使って、太陽の電波の音がどのように聴こえる
のか確かめました。ザーという音になるとは誰一人分からず、驚いていました。

    アンテナから降りて「ほっ!」

          アンテナから降りて「ほっ!」

 電波望遠鏡を使った実験の終了後、閉校式が行われ、参加した4人は修了書
と自作のラジオをお土産に帰って行きました。

★謝辞:ゲルマニウムラジオの製作では高エネルギー加速器研究機構の「ラジ
オを作ってみよう」係・工藤喜久雄氏からコメントを頂きました。また、その
ホームページを参考にさせて頂きました。
    「国立天文台ニュ−ス No.159より転載」<RISE推進室 鶴田誠逸>