「MIZUSAWA・星まつりU」報告

 

 伝統的七夕のイベントとして、天文台地元の奥州市で「MIZUSAWA・星まつり
U」が8月6日(日)に開催されました。このイベントは、NPO法人・イーハトー
ブ宇宙実践センターが主催し、国立天文台が共催という形で行われました。さ
らに、奥州市の広い範囲に協力を依頼し、日本宇宙少年団水沢Z分団、水沢観
光協会には共催を、奥州市、同教育委員会、水沢商工会議所、水沢ライオンズ
クラブ、旧緯度観測所保存・活用を考える会、各報道機関などは後援していた
だきました。
 第1回目の昨年は、会場が繁華街の中心地に近かったため、参加者はかなり
ありましたが、星が良く見えない問題がありました。2回目の開催である今年
は、より暗い星空を求めて、水沢VERA観測所の近くにある"道の駅"である「み
ずさわ観光物産センター」で開催しました。幸い天候にも恵まれ、650名以上
の参加がありました。
 主催者挨拶の後、相原正明奥州市長の祝辞がありました。天文台の旧本館の
奥州市への移管の検討も進んでいる事もあり、地元奥州市が天文台に対する強
い関心を示していると思われます。水沢VERA観測所の小林所長は、2階の講演
会場にてVERA望遠鏡による銀河系の観測研究について講演しました。講演後星
に関する多くの質問があり、所長が嬉しい悲鳴をあげそうになる場面もあった
ようです。

    熱心な聴衆の前で講演する小林所長

         熱心な聴衆の前で講演する小林所長

 一方、"まつり"とあるように、地元の保育園児の力強いオリジナル太鼓演奏
や、心に染入る二胡の演奏などもありました。売店もあり、参加者は色々と"ま
つり"を楽しむことができました。夜が更けてきて、空が暗くなると、天体観
望会のスタートです。天文台職員以外にも地元のアマチュアの方も多数参加し
て始まりました。10台の天体望遠鏡群(国立天文台の観望用望遠鏡4台も含む)
は、月のクレータや木星とその衛星、アルビレオなどの天体の美しさを余すこ
となく見せていました。

    快晴の下の観望会の様子

           快晴の下の観望会の様子

 次回への課題としては、昨年に引き続いて行った市内消灯や会場近辺でのラ
イトダウンが、今回は余り徹底できなかったことです。今後、市民の祭りとし
て盛り上げながら、星の美しさを楽しんでもらえる会に成長させたいものです。

★画像提供/NPO法人イーハトーブ宇宙実践センター
  「国立天文台ニュ−ス No.159より転載」<水沢VERA観測所 亀谷 收>