「VERA小笠原局施設公開」報告

 

 第3回目となる国立天文台VERA小笠原観測局施設公開が10月2日と3日の10時
から18時に行われました。小笠原村父島にある観測局構内では20m電波望遠鏡
の大きさと駆動速度を実感してもらったり電波伝搬実験や物品販売を行い、観
測棟内では20m鏡で受信した天体からの水メーザースペクトルのリアルタイム
表示、VERA観測装置の説明、パネル展示、国立天文台ビデオの放映などを行い
ました。水メーザースペクトルの表示では望遠鏡が向く天体によってスペクト
ルが様々に変わることに興味を示してもらえました。また意外にも物品販売も
好評で、用意していたTシャツは品切れ続出だったようです。パネル展示はVERA
の目的や特徴の説明だけに終わってしまったので、次回こそはVERAの成果をた
くさん展示したいと思います。

   小笠原局観測棟内

 今回は島民の方々や村役場に協力していただいて広報活動を行ったり送迎バ
スを準備するなどした甲斐があってか、昨年の2倍以上の270名の方に参観して
いただけました。小笠原村の人口約2400人を考えると大変なことで関係者一同
本当に感激すると同時に、来年もたくさんの方々に来ていただけるよう頑張ら
なければと気を引き締められる思いがしました。
 施設公開に先立ち9月30日と10月1日には父島大神山公園お祭り広場にて、小
笠原天文倶楽部の方々とともに星空観望会を行いました。両日とも雲が多く観
望には適していませんでしたが、約80人ほどの方々に参加していただき、雲間
から見える月、火星などを楽しんでいただきました。

「国立天文台ニュ−ス No.127より転載」
                     <地球回転研究系 柴田克典>