VLBIによるブラックホールの観測

 

Black hole

多くの銀河の中心には、質量が太陽の一千万倍を超える巨大ブラックホールがあ
ると考えられていますが、確実な証拠はこれまでつかむことができませんでした。
このたびVLBI観測によって中心天体のまわりの小さな領域で高速に回転するガス
や星のすがたがとらえられました。この回転が太陽系の惑星のようなケプラー運
動なら、中心天体の質量は簡単に算出できます。NGC4258(M106) という銀河系の
中心近くのガス回転運動の様子をVLBI観測等によって調べたところ、半径 0.13
パーセクより小さい領域に太陽の3600万倍の質量が存在することがわかりました。
平均密度はこれまでブラックホールの候補と考えられてきた天体の40倍と大きく、
NGC4258の中心にブラックホールが存在する有力な証拠と考えられています。
                              <三好 真>