宇宙を高い精度で観測する技術は今大幅に進展しています。その結果、より遠くの
天体をより精密にとらえることが可能になり、天文学は今大きな発展を遂げつつあり
ます。その技術進歩は同時に地球・月・惑星の回転変動を高精度でとらえ、今や宇宙
科学と地球・惑星科学は緊密に結びついています。
地球回転研究系・水沢観測センターは、画期的な技術開発に基づく新たな国内VLBI
網を建設し、銀河系内の天体メ-ザ-源の距離と三次元運動の測定によって、私達の銀
河系の構造と力学を明らかにするとともに、暗黒物質の正体を解明するVERA計画を推
進しています。また、月面に設置する人工電波源の位置をVERAで高精度に測定し、月
の重力場と回転変動から内部構造や進化の本質に迫るRISE計画を推進しています。
私たちの地球は極めて精密なシステムを備え、環境の微妙なバランスを保っている
生命を宿す天体です。地球回転研究系・水沢観測センターは、地球の回転運動の乱れ
や、地球の潮汐による変形、重力の変化のなどの観測から、この地球の、構造、性質、
環境の変化などの研究を進めています。
このように、地球回転研究系・水沢観測センターは、最新の高精度計測技術を用い
て、地球・月・惑星から銀河系までの姿を精密に把握することを目指しています。
地球回転研究系・水沢観測センターは、その観測装置や施設を全国の関連研究者の
共同利用に供し、高精度観測機器の開発・整備、国際交流、国際協力事業、大学院の
学生の教育に貢献します。