地上の重力を精密に測ると、地下の質量分布やその点の地心距離などについての情
報が得られ、地殻変動を地下の物理過程を含めて追求する資料となります。重力測定
には絶対測定と相対測定とがありますが、どちらの精度も地心距離が1cm変化したと
きの重力変化を検出できるほどです。絶対重力計は世界のいくつかの研究機関で開発
が進められ、日本では国立天文台水沢が独自の方式で完成させました。またGPSは、
特別な人工衛星から発射される電波を同時に複数の地点で受信し、数kmから数100km
に及ぶ受信機相互間の距離をセンチメートルの精度で求める技術です。これらはトン
ネルなど特別な測定環境を必要とせず、自由に持ち運んで測定を行うことができる計
測機器です。
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GPS 受信機(トリンブルSSi型)およびアンテナ | ラコスト重力計とシントレックス重力計 |
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国立天文台絶対重力計2号機 | 国立天文台絶対重力計3号機 |