国際協力



国際地球回転観測事業

 地球回転研究系・水沢観測センターの前身である緯度観測所は、極運動の国際観測
事業に参加するため、1899年(明治32年)に設立されました。これは、わが国が国際
学術協力に参加した最初のできごとです。この事業は1988年に、宇宙技術を応用した
新しい国際地球回転観測事業(IERS)に受け継がれ、地球回転の変動が1cmより良い
精度で観測されています。国立天文台水沢は、IERSにおいてVLBIのユーラシア観測網
センター、VLBIデータ解析センター、また気象庁と協力して大気角運動量解析センタ
ーを担当するなど中心的役割を果たしています。


GGP

 GGPは超電導重力計による国際ネットワークを構築・維持し、この観測網で得られ
たデータから重力の長周期変化、潮汐に現れる流体核共鳴、流体核内部での振動の解
明、また、未知の重力変化を検出することを目的としたプロジェクトで、1997年7月
に正式に発足しました。国立天文台は江刺での観測のほかに、国内・国外の研究機関
と協力し、南極・昭和基地、オーストラリア・ストローム山天文台での観測を行って
います。また、北極・スピッツベルゲンでの観測も1999年9月に開始しました。

      GGP network

          GGPの観測所の分布(赤丸:日本の観測所)