2006年第1回「水沢VERA観測所観望会」報告

 

 6月2日金曜日の夜に今年第一回目の一般向けの観望会を奥州市の水沢VERA観
測所で開催しました。昨年は、9月に行った水沢地区特別公開日の夜に開催し
ましたが、不評だったため、今年度は、特別公開日とは切り離して年間2回行
うことにしました。月齢、例年の天気、めぼしい惑星が見えるかなどを考慮し
た結果、その第一回目がこの時期になりました。沢山の方に来ていただけるよ
うに、望遠鏡の台数を揃えるため、天文台側は受け付も含めて6名で対応し、
地元のNPO法人のイーハトーブ宇宙実践センターにも共催になっていただき、
星の操作・説明や車の誘導係をお願いしました。
 当日は、観望会が始まると、晴れたり曇ったりで気をもみました。事前に地
元の新聞やテレビで宣伝してもらった影響もあり、約100名の方が夜7時30分頃
には集まりました。
 まず、亀谷がプロジェクターを使って、観望する月や土星、木星と衛星など
の話をしました。実は、その頃、比較的強い風が吹くようになり、簡易スクリ
ーンは、風に倒されてしまいます。途方にくれていたら、何人かの方が、自主
的にスクリーンを押さえてくださり、そのお陰で、無事に終了しました。

   レクチャー
   事前のレクチャーのようす。スクリーンを押さえてくださる人の
   足が見えます。(写真提供:胆江日日新聞社)

 その後、すぐ観望会に入りました。本当は、西の空に見える月と土星を見せ
たかったのですが、西には大きな雲が鎮座ましまし、"主食"は、なかなか現れ
ません。この段階で、当初の計画である1望遠鏡1天体を専門に見せる目論見は
破綻し、殆どの望遠鏡が木星に向く羽目になりました。それでも、初めて見る
人が多いので、木星の衛星がいくつも並んでいる事にとても感動していました。
また、その内に雲から月が顔を出しましたので、月齢6日になった欠けた月の
ごつごつしたクレータを歓声をあげながら観ている人もいました。
 観望会が終わりに近づいた夜9時頃には、再び夜空には星が輝き、北斗七星
から春の大曲線、七夕の星ぼしなど、春から初夏の星座を見て、参加者は帰途
に着きました。
 次の観望会は10月下旬を予定しています。その時は、もっと晴れて欲しいも
のです。
   「国立天文台ニュ−ス No.158より転載」<水沢VERA観測所 亀谷 收>