2006年第2回「水沢VERA観測所観望会」報告

 

 秋が深まる10月30日月曜日の夜に、水沢VERA観測所主催の今年第2回目の一
般向けの観望会を開催しました。今年度は水沢地区の星の観望会を2回行う事
になり、第1回目は6月に行い、三日月と木星を主なターゲットにして、雲と格
闘しながらの観望会を行いました。
 第2回目の今度は、半月と天王星を主なターゲットにいたしました。通常は、
天王星は見栄えがしないので避けることが多いですが、8月に冥王星が通常の
惑星から異なる範疇になった事を受けて、太陽系の外側の惑星に興味を持って
もらう事を意識して、敢えて観望天体に選びました。前回を参考にして、たく
さんの方に来ていただけるように、天文台側は受け付も含めて岩館、石川、酒
井、宮崎、田澤、高橋、亀谷の7名で対応し、共催になっていただいた地元の
NPO法人のイーハトーブ宇宙実践センターの大江、酒井、堀合の3名の方々にも
自前の望遠鏡やテレビモニター等を使った観望をお願いしました。
 当日はほぼ快晴で、夜7時頃になると、小学生を伴った親子を中心に、第1回
目の2倍にも達する約180名の方々が、観測所のVERA観測棟近くに集まりました。
まず、天文台内のライトダウンを行った後、亀谷がプロジェクターを使って、
観望する月や天王星、さらに話題の冥王星などの話をしました。その後すぐ、
口径35cmの望遠鏡などを使って半月、天王星、アンドロメダ大星雲などの観望
に入りました。観望会の中盤には、夏の大三角からペガススの四辺形などの秋
の星座、おうし座のすばるまで説明し、満天の星を参加者は楽しみました。当
日参加者に書いていただいたアンケートを見ると、やはり半月の欠け際のクレ
ーターを初めて見たことに感動した人が多いようです。

   半月の欠け際のクレーターは、観望会でいつも人気です。

     半月の欠け際のクレーターは、観望会でいつも人気です。

 今年度は、天文台主催の観望会はこれで終了ですが、市民の期待が大きいこ
とを実感しました。次回以降は、今年度のアンケート結果を参考にしながら、
大人向けや子供向けの説明を分離するなどのきめ細かい対応を行うなど、より
市民に親しんでもらえる会にしたいと思います。
  「国立天文台ニュ−ス No.162より転載」<水沢VERA観測所 亀谷 收>