2004年施設公開

 

 6月5日(土)の10時〜16時に、水沢地区の特別公開が行われました。当日は早
くも 9時過ぎから参観者が集まりはじめ、穏やかな天気に恵まれたこともあり、
約1000名の参加がありました。
 特別公開では、普段から歴史的な観測機器などを展示している木村記念館の
公開のほかに、本館など各所でパネルによる研究やプロジェクトの紹介、ビデ
オ上映(科学技術映像祭文部科学大臣賞ほかを受賞した天文台の紹介ビデオ
「不思議な星・地球」や月探査計画(SELENE計画)関連のビデオ)、人工衛星の
模型展示、PCプロジェクターによるミニプラネタリウム上映、アンテナや惑星
模型のペーパークラフト作成などが行われました。
 また本館では、本台本間希樹氏による「銀河のせせらぎ−電波望遠鏡で追う
天の川の流れ」と題したVERAプロジェクトに関連する講演が行われました。毎
年のことながら講演会の会場が手狭まなために、1時間の講演中ずっと立った
まま聞いて頂く方も出てしまいました。

   講演の様子

        本台本間希樹上級研究員による講演の様子

 野外では、電波望遠鏡の大きさや観測を実感してもらう企画として、VERA
20mアンテナに登るツアーや、10mアンテナをパソコンから動かして実際の電波
を受けてみるコーナーを設けました。また、ペットボトル・ロケットで遊ぶコ
ーナーや、太陽の黒点観測なども行いました。残念ながら太陽にはあまり目立
つ黒点がありませんでしたが、6月8日の金星の太陽面通過を控えていたので、
その宣伝と安全な観測方法についてクイズ形式を取り入れて指導も行いました。

   野外での参観の様子

             野外での参観の様子

 かわったものとしては、地元の裏千家淡交会の方々により「野点」を構内で
催していただき、多く方々に参観の合間に一服いただきました。
 このように盛りだくさんの行事をこなすために、天文台OBや、三鷹勤務の方
々にも多数応援を頂ました。新聞社やテレビ局の取材もあったりで、皆ゆっく
りと休みを取る間も無く一日中大忙しでした。これで今年の特別公開は終わり
と思いたいところですが、VERAの3つの観測所と三鷹での公開も控えています。
手抜きをせずに公開を続けるのは大変だというのが今回の世話役の感想でした。
           <田村良明>「国立天文台ニュ−ス No.134より転載」

施設公開写真集(800×531、12枚)