2006年「国立天文台水沢地区特別公開」報告

 

 今年の水沢地区特別公開は、8月5日と夏場の開催となりました。理由には、
昨年がやや天候が悪く客足が悪かった点から天候の良い時期を選んだこと、周
辺の学校行事に重ならない事などが挙げられます。とはいえ、例年とは開催時
期をずらしたために、開催日が水沢の祭りと重なり来場者数が減少しそう、梅
雨が長引いて天気が悪い可能性がある等、心配事項が多々ある中で準備を行い、
無事開催となりました。

   講演会

  小林秀行所長の「VERAで見えてきた銀河系の姿」講演会は大入り満員

 特別公開日の出し物は水沢地区で行われる研究や関係する観測装置の紹介を
メインとしています。毎年行われる講演会やVERA、RISE、GGPの説明と展示の
他に、好例となった20mアンテナツアー、10mアンテナ駆動体験、ペットボトル
ロケット、参加型科学実験、敷地内にばら撒かれた問題を探すクイズラリー等、
天文学から惑星・地球科学関連の多岐にわたる内容が公開されることは、水沢
地区特別公開の特徴です。一方、「見えてきた銀河系のすがた」というメイン
テーマで統一感を与えることに関して、テーマを活かす公開の方法について、
世話役の立場からは、今後も一考の余地があると思いました。
 当日は天候に恵まれ、炎天の下での開催となりました。夏の暑さにも拘らず、
例年通りの来場者数となりました。来場された方々の中には、日差しを避けて
室内及びテントの中や比較的涼しい木陰にて行われる出し物に集まってこられ
た方を多く見受けましたが、子供たちは暑さに負けず、数々の出し物に興味を
持って元気に楽しんでくれた様です。また、会場内の数箇所に設置したドリン
クコーナーは常に盛況でした。

        「20mアンテナツアー」

        VERAの20mアンテナツアーに、しゅっぱーつ!

   「地球コマのコーナー」

   地球コマのコーナーは、水沢地区の特別公開ならではの出し物。

   「ペットボトル・ロケット」

          今年も水ロケットがシュパーッ!

 来場者に配ったアンケートの集計がこれからの作業として残っています。案
内用のポスターを夏休みに入る直前に学校に配ったこと以外にJR駅や奥州市の
ショッピングセンター等人の集まる場所に掲示した効果や、天文台への入り口
が分かりにくいと言った意見に対する措置として正門に設置したノボリの効果
はあったのか等、今回新しく取り入れた試みについての結果を知ることが必要
です。また、来場者に家族連れや小学生が多い現状に対して、説明の難易度が
来場者に対して適性であったのか、難易度にばらつきは無かったのかなど、次
の特別公開に向けて参考にしたいと思います。
   「国立天文台ニュ−ス No.158より転載」<水沢VERA観測所 寺家孝明>