第6回目の意中の人は
上野祐治さん

大きなアンテナを守る現場力

マダム

常勤職員となった現在はどのような仕事をされているんですか?

上野

アンテナの機械系保守、開発、観測の運用支援をしています。業者さんと作業をする際に現場監督をすることも多いです。たとえば離島の小笠原と石垣島はアンテナにサビが出やすいので補修塗装をするんですよ。細かいところまでサビの状況をよく見て、塗装業者さんと打ち合わせをします。

マダム

細かいところまでよく見るって、もしや?

上野

そう(笑)。例の技術で骨組みをよじ登って、「ここがサビているな」というのを目で見て確認します。その上でサビをどのように落とすか、この局のこの箇所にはどういう塗料がいいか、業者さんと話し合って決めていきます。

マダム

局によって塗料も変えていたんですね。

上野

それに加えて、海に近い局は塩がきついので塗り方も厚くするんですよ。でも鉄板の角がたっていると、そこだけ塗料が薄くなってサビが出やすくなってしまうので、この部品は角を削ってから色を塗ろう、とか細かいことを現場で調整しています。

錆びた部分を補修塗装中
錆びた部分を補修塗装中
マダム

そこまでしていたとは知らなかったです。きめ細かく見ているんですね。

上野

私がクチを出しすぎても良くないと思うので、肝心なことを伝えてあとは任せます。でもその時に、相手の個性に合わせて言葉をかけることが大切だなあと感じます。細やかな感覚の人には詳細に、とか、概要を掴むのが得意な人には要点を絞って伝えよう、とか。

マダム

現場力を引き出すには、コミュニケーションの力が重要なのですね。

上野

そうですね。そうやって何度もやりとりをして、今では職人さんたちから直接、ああしようこうしようって言ってくれるようになりました。それは非常に心地良い関係です。

マダム

ご自身で現場を調べる職人的な仕事、マネージメントをするリーダー的な仕事、コミュニケーションをはかる営業的な仕事まで!なんとも多彩な仕事ぶりですね。

上野 祐治
氏名
上野 祐治 うえの ゆうじ
出身地
岩手県生まれ
紹介

国立天文台水沢VLBI観測所の技術職員としてVERAアンテナ4局の機械系保守、開発、観測の運用支援を行っています。仕事で着用するツナギは機能性とデザインにこだわって選び、現在6着を所持。長期の出張が多いので、自宅では家族との時間を大事にしつつ家事をして体を動かします。趣味はロッククライミング。