松本さんが天文学者を志したのはいつ頃ですか?
研究しようと思ったのは、大学に入ってからです。子供の頃から宇宙に興味があったんですけど、とりあえず大学に入るまでは「大学で宇宙の勉強をすること」が自分にとってのゴールでした。
それで宇宙コースのある鹿児島大学へ進学したんですね。
はい。それで授業を受けてみたら、宇宙はまだまだわからないことだらけ。それで自分も研究をやってみようと思いまして。
クールビューティな天文学者の松本さんですが、ときどき作業着姿やヘルメット姿を目にするんですが。
はい。先日も作業着を着て観測機器の部品を作っていました。アンテナのメンテナンスもします。
勉強が好きなんですね。
好きです。解ける楽しみもあれば、わかる楽しみもある。勉強をやりはじめると、それを楽しもうとする自分がいます。
それは苦手科目でも?
苦手科目は...物理(笑)。 なんですけど、分からないところをコツコツつついていくと、そのうち分かってくるので。
数学は?
松本さんは、いろいろなスポーツにチャレンジしているそうですね。
はい。サッカーと野球とジョギングです。
とくに野球は体育の授業でやらないから、やってみたかったんです。地域の社会人野球チームと試合をすることもあって楽しいです。
駅伝大会にも出ましたよ。7.5 km走りました。
すごい!それと山登りですか?
富士山に登るためだけに山登りを始めました。まずは高尾山を登ってみて、それで富士山に登りました。
松本さんがいま取り組んでいる研究について教えてもらえますか?
「銀河系の棒状構造もしくはバルジの動力学的研究」です。
銀河系の腕の根元部分でガスが作っている棒状の構造をバー構造って呼んでいるんですけれども、そのガスのところでは星が生まれているので、星形成の研究になるんですが、潰れたラグビーボールの形をしていると言われているバルジの方は古い星で構成されているので、晩期型星の研究になるんです。
晩期型星の方はまだデータがほぼないので、これから日本のVERA(ベラ)と韓国の3台の電波望遠鏡KVN(ケー・ヴィ・エヌ)を合わせてKaVA(カヴァ:KVN and VERA Array)と呼んでいるんですけど、このKaVAで感度の良い観測をして、バルジの領域の晩期型星も見えてくるとおもしろいかなと思いながらやってます。
国立天文台 水沢VLBI観測所のプロジェクト研究員としてVERAに携わり、本プロジェクトの目的である銀河系3次元立体構造の精密測定で、 主に銀河系の棒状構造に着目しています。
また、銀河系を構成する大質量星形成領域や 晩期型星の周辺構造の研究も行っています。
最近は日韓合同VLBI観測にも注力しています。