まさかのガテン系?

まさかのガテン系?

マダム

クールビューティな天文学者の松本さんですが、ときどき作業着姿やヘルメット姿を目にするんですが。

松本

はい。先日も作業着を着て観測機器の部品を作っていました。アンテナのメンテナンスもします。

受信機を点検している松本さん
受信機を点検している松本さん
マダム

どんなことをするんですか。

松本

アンテナにグリスを塗ったり。

マダム

そのグリスまで作ったりしないですよね?

松本

混ぜたりはします。とろっとしたグリスと粉を混ぜて、配合を...

マダム

するんだ(笑)。

松本

エレベーションギアーといって本当は銀色のピカピカした金属なんですけど、ここを保護している黒いグリスが古くなってしまうので一度手作業で剥がして、グリスをハケで塗りなおします。

マダム

なんだか工事現場みたいですね。

松本

そんな感じですよ。ヘルメットを被って、ハケ持ってシンナー使って(笑)。 あと、入来局ではコケ落としをやってました。

マダム

コケ落とし?詳しくお願いします!

松本

アンテナの下の部分に付いてしまった苔を掃除する、けっこう地味な作業です。ほかにはVERA 2ビームの位相差を補正するための基準信号を出す装置が入ったボックスがあるんですけど、そこのシリカゲルを交換したり、アンテナのギアボックスにグリスを注入したり。あとはボルトをはずして付け替えたり。

学生時代にボルトの緩み止めを剥がしているところ
学生時代にボルトの緩み止めを剥がしているところ
マダム

いきなりガテンな話のオンパレードですが、その技術はいつどこで習得したんですか?

松本

鹿児島大学の学生時代に、受信機のメンテナンスなどの手順を見てレポートにまとめていました。業者さんがメンテナンスに来るとひたすら張り付いて、写真を撮ったり、話を聞いたり、わからないことはどんどん聞いて自分で学べ、みたいな感じだったんです。

記事公開日:2014年5月16日