ブラックホールの研究で東大総長賞を受賞

ブラックホールの研究で東大総長賞を受賞

今年3月に東大総長賞を受賞!
マダム

若手研究者の秋山さん、今年3月には「東京大学総長賞」を受賞されて大活躍ですね。ところでこの「ブラックホールの直接撮像を目標とする国際共同研究を牽引し世界的に高い評価を受け新しい天文学の分野を開拓」というのは、どんな研究なんですか?

秋山

ひとことで言うと「人類で初めてブラックホールの写真を撮ります!」という研究です。

マダム

なんと大胆な!一体どうやって...

秋山

世界各地のサブミリ波望遠鏡を組み合わせて地球サイズの望遠鏡を仮想的に作ることができます。こうすることによって視力に相当する「分解能」が非常に良くなるので、いままで誰も見ることのできなかったブラックホールを直接観測することができるんです。これがイベント・ホライズン・テレスコープ(Event Horizon Telescope、以下EHT)というプロジェクトです。

マダム

どうして今まで見ることができなかったんですか?

秋山

ブラックホールってすごくちっちゃいんですよ。

マダム

ちっちゃいんですか!?

秋山

ブラックホールは極めて高密度な天体なので、重さの割にとっても小さいんです。もし地球をブラックホールにしようと思ったら半径1cmの大きさに圧縮しなきゃならない。太陽だってたった3kmの半径に押し込めないとブラックホールにならないわけですから、そんなものが遠くにあったら、ちっちゃいわけです。

ブラックホールはちっちゃい
ブラックホールはちっちゃい
マダム

なるほど。それを見ようと思うと困難ですね。VERAの分解能を持ってしても無理なんですか。

秋山

はい。VERAの分解能は1ミリ秒角。でもブラックホールを見るために必要な分解能は0.03〜0.05ミリ秒角なんです。

マダム

しょぼん。本当に桁違いなんですね。

秋山

EHTの分解能は現状で約0.02ミリ秒角(=20マイクロ秒角)。

マダム

すごい!!ブラックホールが見える分解能が実現できているんですね。

記事公開日:2015年7月15日