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2ビームフリンジ初検出 (第17号:2002年10月1日発行)
2002年5月末にVERA水沢−入来局間(基線長約1300km)で2ビーム同時受信によるVLBI観測が初めて行われました。
その結果、W49NとOH43.8-0.1という0.65度離れた2つの星形成領域から出る水メーザー(22GHz帯)について、同時にフリンジを検出することに成功しました。VERAの最大の特徴である2ビームVLBIに初めて成功した記念すべき出来事です。
また、詳しい解析の結果、2ビーム観測を行うことで期待どおり大気の揺らぎをキャンセルできることも確認されました。右図中央は、赤および緑の点が2天体のフリンジ位相で(天体位置に相当)、大気の揺らぎを受けて激しく変動する様子が見られます。
一方、両者の差をとると大きな変動成分がなくなり、ほぼ一定値になります。すなわち、両者の位相差から、2天体の相対的な位置を極めて高い精度で求めることができます。
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![]() 2ビーム同時フリンジを記念してのメンバーたちの寄せ書き。左右上の図が2天体のフリンジ、中央は2天体のフリンジ位相(赤、緑)とその位相差(青)。 |
関連論文
- Honma M. et al. 2003, PASJ, 55, 703, First Fringe Detection with VERA's Dual-Beam System and Its Phase-Referencing Capability [英語](PDF:209KB)