現在の仕事に啓もう活動までも加わりそうですね。いくつもの仕事を並行して進めるコツはありますか。
優先順位を決めて対応しています。メールを見て、監視システムを見て、問い合わせがきたものに必要があれば対処する、その繰り返しです。効率良くするためにどうしたらいいかなあ、とはいつも考えています。これとこれを統廃合して数を減らせないかなあ、とか。そこは経験しながらやっていくしかないですけど。
情報セキュリティは社会的な課題でもありますね。
そうですね。多くの公的機関や企業がサイバー攻撃を受けているなか、国立天文台も例外ではありません。天文台のサーバも攻撃にさらされています。ウェブサーバは世間一般に公開されているので、逆にいえば世間一般から攻撃できるわけです。もちろん、そのための対策はしていますし、アクセス記録も監視しています。
天文台へ転職するまでの道のりを聞きたいのですが、高橋さんは、もともと天文学や宇宙に興味があったのですか?
あまり興味はなかったです(笑)。ものづくりが好きで、小学生の頃はガンプラに夢中でした。机のまわりが初代ガンダムのプラモデルだらけ(笑)。もともと自分は文系ではないと感じていましたし、数学が得意だったこともあり、理系に進みました。一関工業高等専門学校を卒業した後、岩手大学工学部の電気工学科3年に編入学し、学部卒業後は大学院の博士課程まで進みました。博士論文のテーマは「植物の温度制御のモデリング」です。
植物の温度制御?
水沢VLBI観測所・特定技術職員の高橋 賢さんです。例年にない「アクリル板」が真ん中にありますが、コロナ禍による対応ですのでご容赦ください。はじめに高橋さんの仕事についてお聞きしたいのですが。
私の仕事は、VERAの観測に必要な計算機、ネットワークインフラ、ファイルサーバなど、ITインフラ全般の運用保守管理をしています。決して表舞台には出ませんが、縁の下の力持ちといったところでしょうか。他にもスパコン「アテルイⅡ」の運用保守サポート、この「VERAに夢中!」のコンテンツが掲載されているウェブサーバの運用保守管理も担当しています。
国立天文台水沢VLBI観測所の特定技術職員として、観測システム用計算機の運用保守管理、ネットワークの運用保守管理、ウェブサーバの運用保守管理、情報セキュリティマネジメント、スパコン運用保守の現地サポートなどを担当しています。休日は家族で外に出かけ、山登りや趣味の釣りを楽しんでいます。ロックバンドLUNA SEAのファン。ライブに行くのが楽しみです。