まずは会計係の仕事内容について教えてください。
会計係ではVERA4局について、物品の購入、工事・修繕といった作業の発注と支払い、それらに伴う一連の会計処理を行っています。アンテナの修繕を例にすると「グリスアップ」と言って、各局のアンテナでグリスを塗る作業がありまして。
グリス! VERAらしいマニアックな例ですね。
では、このあいだ入来局(鹿児島)で実際にグリスアップがあったので、それを例にして説明しますね。まず業者から見積もりを取ります。金額が10万円未満であれば入来局の担当者から、10万円以上の場合は私たち会計係から、現地の業者に発注します。
今回のグリスアップは10万円未満だったので、グリスも含めた物品や人件費を「工事一式」として入来局現地で発注しました。発注後、決まった期間に工事が終わればOKです。工事完了後、私たち会計係が業者に支払い処理をします。
一連の流れがよくわかりました。グリスのような観測所ならではの物品を扱うにあたって、エピソードがあれば教えてください。
会計係では物品を勘定科目ごとに分けて会計システムへ入力するんですが、その分ける作業がとても細かいという特徴があります。品物が違えば、たとえネジ1個でも分けないといけない。
ネジの頭の形状や金額がちがうだけで「ひと明細」になって、「別の品物」扱いにするんです。ネジはネジでも品番がちがえば会計上は別の品物です。私たちから見ると全部ネジなんですけど(笑)。
ネジはまだいいですよ、ネジだとわかるから。マニアックな物品になると、品名だけではそれが何モノなのかがさっぱりわからない(笑)。それが何なのかがわからないと事務処理のやりようがないので困っちゃうんですよね。
そんな時はどうするんですか?
品番をパソコンで検索したり、メーカーのホームページを見たりして調べます。どうしても判明しない場合は担当者に聞いて確認します。
その後、消耗品費なのか、備品費なのか、修繕費なのか、広告宣伝費なのかといった勘定科目ごとに分けて会計システムへ入力し、その内容が最終的に支払う金額と合っているかどうかを確認した上で支払いをします。大きい工事や高額の物品購入の場合も同様です。
左から、国立天文台水沢VLBI観測所会計係の菊池幸子さん・高橋由美さん、国立天文台三鷹キャンパス事務係の小森明代さん、国立天文台水沢VLBI観測所庶務係の佐々木美枝さん