寺家さんは子供のころから、天文学がお好きだったんでしょうか?
いえ(笑)。もともとは火山学がやりたくて、鹿児島大学では火山学の専攻でした。VLBIをやって、GPSを使って桜島のマグマの動きを調べようと考えていたんです。ところがVLBIを担当しているうちに、いつのまにか…。
いつのまにかVLBIの専門に。
世界トップの精度良いデータを、いままさに出していらっしゃるのでは?
はい、いまのところは。ただこれからVGOSというすごいのが出てきて抜かれそうなので、がんばって、こんどは少しちがった方向でやろうと思っています。
すでに新しい世界トップ構想があるんですね?
そうですね。たとえば高感度 VLBI 観測システムのOCTAVEシリーズを使って、もっと広帯域とか、別の周波数でできればと。いま出すデータが世界トップクラスで、そこからどんな面白いことを発見できるか、その可能性が広がるかを考えるだけで、けっこうそれはおもしろいと思っています。
そのおもしろいことはVERAでできるのでしょうか?
はい、できますね。
寺家さんにとってVERAとは何でしょう。
いままで自分がやってきた結果であり、自分の研究的な欲求を満たしてくれるものです。研究に対しては、たぶんなかなか満足はできないと思いますけど(笑)。あとは国立極地研究所が次の世代のVLBIを考えていますから、天文台から誰かピチピチした若手を送り込みたいです(笑)。
VLBIを志すピチピチのみなさん、ぜひチャレンジしてみてくださいね!寺家さん、ありがとうございました。
地学・地球物理学を専門として研究を行っており、国立天文台のVERAプロジェクトに係ってからは、VLBIを用いた時空計測に関する研究と幾何測地学を専門として研究を続けています。大学生の頃からフィールドワーカーなので、観測の現場にいる事をモットーにしております。
50年以上にわたり南極、北極及びその周辺地域(極地)に関して、物理学や生物学など様々な科学的観点から観測、実験、総合研究を行っている。所在地は東京都立川市。