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成果報告その他の報告

研究ハイライト

成果報告

銀河系スーパーバブルの運動を検出

私たちの住む銀河系は、他の銀河と同様に、多くのが平たい回転円盤を形成していて、その周りを希薄な星間物質の球状ハローに取り囲まれています。
これまでの観測から、円盤から外側のハローに向かって、星間物質が大きな泡(スーパーバブル)のように分布していることがわかっています。

そうした泡の1つにあると考えられるNGC 281という領域は、円盤から垂直方向に約9千光年離れた場所にあり、円盤の外側で星が誕生している領域という特徴を持っています。

VERAでこの領域の水メーザー全体の絶対運動を調べることで、NGC 281領域が円盤から20km/sから30km/sの速さでさらに遠ざかっていることが明らかになりました。
これは、NGC 281領域を含む星間物質の大きな泡が、円盤中の複数の超新星爆発によって起こったものであるという直接的な証拠を示しています。

※この結果は日本天文学会欧文研究報告の2007年8月号に掲載されました。

画像
左図:NGC 281の光学写真。HII領域の南西にある分子雲にメーザーが付随している。
右図:銀河面からのびる泡構造(水色)と、NGC 281(黄色)の位置関係。等高線は中性水素ガスの密度を表す。VERAによる観測から、銀河面から遠ざかるNGC 281の運動(赤矢印)が検出された。

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